アラフォー「女性4人の共同生活」の意外な実際

結婚でも1人暮らしでもない「第3の道」

そのうちに「一緒に暮らすだけなら、相手は好きな異性や家族に限らなくてもいいのではないか」と、女性同士のルームシェアが頭に浮かんできたのだそうだ。「寂しさを埋めるためや、経済的理由だけで恋人を探すのは、相手にとっても失礼なのでは?」という気持ちも強くあったのだという。

「40歳近くにもなると、人生をともにしようと思える相手をゼロから探すのは厳しい。もちろん、結婚する可能性がなくなったわけではないけれど、自分にはその気力がなかったんです。『家族』のプレッシャーは、相当なもの。離婚するのも、戸籍を抜くのも大変です。友人同士なら、気が合わなかったり、条件が変わったりした場合は、複雑な手続きなしですぐ解散できる。とても気楽なんじゃないかなって」(藤谷さん)

仲間探しはSNSで

早速、友人に「ねえねえ、オタクルームシェアしない?」とLINE。あっという間に、Twitterで交流があった「ネットの友達」が挙手してきたのだという。ルームシェア可能物件を探すまでには長い道のりがあったが、無事に今の家を見つけることができた。ちなみに、物件を契約するまで、4人はお互いの本名も知らなかった。ネットで出会った人との共同生活に、不安はなかったのか。

「SNSは、思っている以上に人となりが出ます。もちろんネット上でキャラを変えている人もいるけれど、ありのまま、趣味の話を10年以上してきた友人なので安心できました。今でこそ、SNSを自己実現に使う人も増えてきたけど、流行する前からTwitterアカウントを持っていたユーザー同士なら、価値観も合うんじゃないかと思ったんです」(藤谷さん)

平和なシェア生活を送ることができているのは、4人それぞれが「オタク社会人」であることにも起因している。

「オタクは、コンサートや観劇チケットのスケジュール管理や、チケット代の立て替え・精算などがしっかりできる人が多いです。オタク特有の細かさは、共同生活に向いているのではないでしょうか」(藤谷さん)

共同で使う冷蔵庫(写真:藤谷さん提供)

コスト面でも、メリットはとても大きかった。1Kで1人暮らしをしていた2018年12月の生活費は、家賃・光熱費・ネット回線などで合計12万1200円。シェアハウス開始後は、6万8400円にまで削減できたのだという。

「前提として、1人暮らしの女性も安心して暮らせる社会になってほしいですが、やっぱりオートロックや2階以上の物件に住んだほうがいいとされていますよね。でも、防犯面をクリアした物件は、家賃が高い。その点、女性同士であってもつねに誰かが家にいる生活なら心配はかなり減ります。家族向け物件をシェアするなら、広いリビングと、追い炊きができるお風呂がある暮らしを送ることができる。本当にいいですよ」(藤谷さん)

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