レナウン解体「名門ブランド」の悲しき末路 ダーバンなど5ブランド切り売りで会社は清算へ

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レナウンという会社が消えても、残る5ブランドは新たなアパレル企業の下で再生できるのか。

売却先となる小泉グループは1716年に滋賀県で麻布商として創業し、現在は大阪に本社を構える老舗企業だ。2019年度のグループ売上高は423億円と、規模ではレナウン(2018年度単体売上高453億円)よりも小さい。GMS(量販店)向けの衣料品を中心に企画・販売し、百貨店が主要販路のレナウンとの取引はなかったという。

有価証券報告書によると、2020年2月時点での小泉グループの自己資本比率は67%と高く、企業の短期的な資金繰りの余裕度合いを示す流動比率は343%(流動資産÷流動負債)と財務体質は健全だ。一方、ここ数年の売上高は減少傾向が続き、2018年度と2019年度は販売不振などにより2期連続で最終赤字となっている。

かつても破綻先からブランド買収

実は小泉グループにとって、経営破綻した会社のブランドを買うのは今回が初めてではない。同社は2009年、自己破産したアパレル企業・小杉産業からカジュアルウエアブランド「ゴールデンベア」などの事業を買収している。

当時の小杉産業の破産管財人を務めたのも、今回レナウンの民事再生手続きで管財人としてスポンサー交渉に当たった永沢弁護士だった。レナウン関係者は「ブランドの譲渡先が小泉に決まった背景には、ゴールデンベア売却のときの縁で永沢弁護士の顔が利いた側面もあったのでは」と推察する。

レナウンの担当者によると、5ブランドの事業部の社員をどの程度小泉グループが引き継ぐかは今後詳細を詰めるという。ただ、コスト面での問題などから、小泉に移る社員や残す売り場(百貨店や量販店など)は一部となる可能性が高い。小泉はブランド買収によりグループの事業規模拡大へとつなげる狙いだが、先行きは決して楽観できない。

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