街中で「数字が名前につく銀行」が減少した背景 「ナンバー銀行」の栄枯盛衰の歴史を振り返る
都市銀行は0032までが割り当てられているが、繰り返された合併によって都市銀行の数が激減してしまったため、使われているのはわずか5つだけだ。このうち少々ややこしいのがりそな銀行と埼玉りそな銀行で、両者は同じりそなホールディングスの傘下に属するが、前者は0010、後者は0017と別の番号を用いている。
支店番号は、各銀行がそれぞれの支店に割り振る3桁の番号だ。統一金融機関コードと、この支店番号の組み合わせにより、たとえば0005-103が三菱UFJ銀行千代田支店というように、すべての支店名を特定できる。支店数最多の三菱UFJ銀行でも、国内に750店舗を抱えるのみであるから、支店番号は3桁で十分足りている。
さてこれら大小さまざまひしめき合う銀行業界に、2007年突如ガリバーが舞い降りる。いうまでもなく、郵政民営化によって日本郵政公社から切り離され、株式会社となったゆうちょ銀行である。
この際にゆうちょ銀行にも支店番号が定められたが、官営時代から各郵便局に割り当てられていた「取扱店番号」という5桁の番号も併用されている。郵便局で預金をすると、この番号が通帳に記帳されていく。実はこれが、マニアにとっては注目の的になっている。旅先の郵便局で少しずつ預金を行い、通帳に各局のスタンプを集めて楽しむ、「旅行貯金」というジャンルがあるのだ。
飯田風越郵便局は聖地に
この旅行貯金趣味者の間では、取扱店番号がキリ番・連番・ゾロ目などになっている局が人気を集めている。そうした「聖地」のひとつが、取扱店番号11111の長野県・飯田風越郵便局だ。日付に1が並んだ平成11年11月11日には、多くの人がこの郵便局に殺到し、処理が追いつかない事態となった。
そこで令和元年11月11日には、店頭にテントを設置し、近所の店に駐車場を借りるなど万全の体制を整えた。さらに、近隣の郵便局から応援を頼み、26人もの局員が対応してこの日を乗り切ったという。
このように、キリ番やゾロ目には人を引きつける独特の魔力がある。町おこしなど、新たな需要の掘り起こしを目指す者にとって、これは参考になる事例なのではと思う。
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