「偏差値見て近所の高校を選ぶ」時代が終わる訳 離島留学、通信制…才能引き出す新しい進学先

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生徒数の急激な伸びを牽引したひとつが、角川ドワンゴ学園が2016年4月に設立したN高等学校だ。初年度の生徒数は1500人だったが、今では1万5000人と日本最大の高校になっている。

N高の魅力は課外活動に当たるアドバンストプログラム。KADOKAWAグループのリソースも使った小説やライトノベルの講座のほか、イラスト、ゲーム、プログラミング、予備校講師による大学受験対策など、豊富な学習コンテンツを用意している。そうした取り組みも奏功し、2020年には東京大学1人、京都大学3人など難関大学に多くの合格者を出している。

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N高と同じく多くの生徒を抱えるのがクラーク記念国際高等学校だ。1992年に設立された同校は日本とオーストラリアに63カ所のキャンパスを持ち、約1万1000人の生徒が在籍している。校名は「Boys, Be ambitious」で有名なクラーク博士にちなんでおり、校長は、プロスキーヤーの三浦雄一郎氏が務めている。

特長は多彩な学びができる環境。保志悦宏・東京キャンパス長が「登校に不安があるから選ぶ生徒、特化した学びに魅力を感じて選ぶ生徒がいる」と話すように、学校に通う頻度や学びたい分野を選択することができる。高田馬場にある東京キャンパスの場合、大きく分けて週に5日通う全日型と、自宅学習や登校日を選択できる単位制型の2コースがある。

クラークは俳優や声楽家を目指す生徒も在籍

東京キャンパスでは、全日型には総合進学のほかにパフォーマンス、美術デザイン、フットサルなど8つのコースが設定されている。パフォーマンスコースは、年に2回公演を開催しており、プロの俳優や声楽家を目指す生徒もいる。保志氏は「得意なことを伸ばして自信につなげ、次のステージへ送り出したい」と話す。

専任教職員は学習心理支援カウンセラー資格を持っており、こまやかな対応で生徒を支える。担任指名制の導入や、6段階の習熟度別教科授業なども行っている点も特長だ。

通信制高校にもかかわらず、指定校推薦枠が多いのも魅力。早稲田大学、上智大学などをはじめ、その数は300大学1400人に及ぶ。専門コースで学んだ経験を武器に、推薦で進学する生徒も多いという。

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