料理が面倒でもハマる「下味冷凍」抗えない魅力 冷凍の達人が教える上手な冷凍、解凍の方法

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冷凍というと、使える食材が限られるイメージがあるが、それは昔の話だ。「昭和時代は、キュウリ、大根、根菜類、もやしは冷凍できないとされていましたが、今は料理技術も冷蔵庫も進化したので、できるようになりました。たいていのものが、冷凍できますよ」と松本氏は話す。

「冷凍すると水分が膨張して繊維を壊すため、これらの野菜は冷凍できないとされていました。ですから冷凍は、水分量をコントロールすることが大事です。例えばジャガイモは、冷凍コロッケがあることからわかるように、マッシュポテトにすれば冷凍できます。煮物やカレー用の塊状のものが必要なら、片栗粉を加え、ボール状にして冷凍するといいですよ。

キュウリは塩もみし、水分を抜いてから冷凍します。酢の物など和え物を作ってしまえばいい。解凍したら、もう一度ギュッと絞ってから盛りつけましょう。水分がしっかり抜けるので、冷凍しないものよりシャキシャキ感は増します」

おいしく冷凍するには

下味冷凍に向いているのは、肉類と魚介類だ。例えば、6月に発売された『新装版 ゆーママの簡単!冷凍作りおき』で掲載されている「鶏肉のタンドリーだれ」は、スープカレーやトースターで焼くタンドリーチキン、ズッキーニを加えてバター炒めにするといった応用が利く。

「鶏肉のタンドリーだれ」は、スープカレーやトースターで焼くタンドリーチキン、ズッキーニを加えてバター炒めにするといった応用が利く(写真:扶桑社提供)

下味冷凍にするには、鶏もも肉をひと口大に切り、密閉容器に鶏肉と、プレーンヨーグルト、トマトケチャップ、醤油、カレー粉、サラダ油、顆粒コンソメスープの素、おろしにんにくを入れてよくもむ。

「冷凍している間に味が浸透し、肉が柔らかくなります。下味冷凍する食材には、保湿効果のあるみりんやヨーグルト、油を加えることで、冷凍焼けも防止できます」と松本氏。

容器は保存袋を使うのがおすすめ。ビニール製もあるが、プラスチックの代替品として開発されたピュアプラチナシリコーン製のスタッシャーなら、洗ってくり返し使える。袋を上から押さえるなどして空気をしっかり抜き、なるべく薄く平らにしてから冷凍しよう。塊が大きいと凍るのに時間がかかり、霜がつきやすくなるからだ。

まずは横に寝かせて冷凍。半分冷凍できたら立てて冷凍(写真:扶桑社提供)

平らにすると、管理がしやすくなる。何種類も作る場合は、立てて冷凍すればたくさん入るし、取り出しやすい。ただ、最初から立てると崩れて下にたまってしまうので、まず横に寝かせて冷凍する。耐熱性のバットに保存袋ごとのせ、上に保冷剤を載せておくと短時間で冷凍できる。半分冷凍できたところで、立てて冷凍する。

牛や豚の細切れ肉や、ハンバーグだねや、ギョウザのたねなどのひき肉は、半分冷凍したところで、袋の上から箸を押しつけて溝を作っておくと、後で割って使うことができる。

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