意外!コロナ禍でもNYへの渡航は余りに簡単だ NY在住の筆者が恐る恐る米国に再入国してみた

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ということで、無事シカゴからNY行きの飛行機にも乗ることができた。最後の難関はNYに到着した際のチェックがどの程度なのか、だ。到着空港は、ジョン・F・ケネディ国際空港(JFK)。NY州は、感染が拡大している地域からの移動者に対し、14日間の隔離を要請しており、「違反者には罰金などの罰則規定もある」と聞いていたからだ。

人気のハンバーガー店「シェイクシャック」もシャッターを下ろしていた(JFKで筆者撮影)

また、NYに入る際には、旅行者は定められた質問事項に答える必要がある。今回は「事前にオンラインで回答できる」との情報を得ていたので、NY州保険局のウェブサイトから手続きを終えておいた。念のため、「確認ページ」を職員に提示すべくスクリーンショットを取って備えてもいた。

だが、なんと結局はそうした職員に会うこともなく、着陸後は以前と全く変わらぬまま、やはり閑散としていた空港をあっさりと後にする格好となった。シカゴからJFKの便は国内便扱いなので、さほど厳重なチェックは不要ということのようだ。

結局のところ、東京の家を出てニューヨークの家に戻るまで、一度たりとも厳重な健康チェックをされることのないままに移動することができ、今現在この原稿を書いているというわけだ。

もちろん、というべきか「NYでの14日間の自主隔離」というのも、それを強制する手段は取られていない。ロックダウン(都市封鎖)を厳格に行い、入国を禁止することでもしない限り、水際での対策だけで感染者の入国を阻止するのは、やはり難しいということなのだろうか。そもそもすでに国内で蔓延しているし、このウイルスの感染拡大を食い止めるのは、そう簡単ではなさそうだ。

NYのマスク着用率は高いが「隠れトランプ派」も?

久しぶりに帰ってきたNYについては、また詳しく書きたいが、一番の印象は「案外、みんな真面目にマスクをしているな」、というものだ。新型コロナウイルスの感染拡大以前は、冬でも誰一人としてマスクをしておらず、マスクをしていると犯罪者か病気持ちかといった変な目で見られるくらいだったのが、今や雰囲気は一変した。

空港などでは全員マスクをしていたし、街中でもざっと9割以上はマスクをしている。もちろん、小売店のほとんどが、入店の際にマスク着用を義務付けていることも大きいし、何よりもあのドナルド・トランプ大統領までがマスク着用を推奨するようになったのだから、ニューヨーカーの意識も変わったのだろう。

ただ、やはりそこは人種のるつぼのNYだ。地域によってはガラリと様子が変わってくる。私が現在住んでいるブルックリンのチャイナタウンでは、ほぼ100%マスクを着用、中にはマスクの上にフェイスガードといった強者も見られ、ちょっと過剰反応という感もあった。

一方でチャイナタウンのすぐ西側ではメキシコ系を含むラテンアメリカ系の人が多く住んでおり、ここでも着用率は高かった。

だが、反対の東側にあるユダヤ人、それもオーソドックスと呼ばれる、夏でも真っ黒の服をきて帽子をかぶっている人達のコミュニティにいくと、一転して、見る限りでは誰もマスクをしていない。彼らは宗教上の理由から、献血やワクチン接種を拒否することがあり、少し前に麻疹が流行したときも感染源の一つではないかなどとされたことがある。

それだけに「マスクなどもってのほか」というところなのだろう。そして、普通に白人が多く住む地区でも、やはりマスクの着用率は低かった。特に男性でマスクをしていない人が目立っており、いわゆる「マッチョ思想」というものの何かが、マスク着用へのハードルを上げているのだと思われる。そうした人々は、秋の大統領選挙でトランプ大統領に票を入れる「隠れトランプ」である可能性が高いのかなと、半年ぶりにニューヨークの街並みを散歩しながらいろいろと考えていた。

松本 英毅 NY在住コモディティトレーダー

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

まつもと えいき / Eiki Matsumoto

1963年生まれ。音楽家活動のあとアメリカでコモディティートレードの専門家として活動。2004年にコメンテーターとしての活動を開始。現在、「よそうかい.com」代表取締役としてプロ投資家を対象に情報発信中。NYを拠点にアメリカ市場を幅広くウォッチ、原油を中心としたコモディティー市場全般に対する造詣が深い。毎日NY市場が開く前に配信されるデイリーストラテジーレポートでは、推奨トレードのシミュレーションが好結果を残しており、2018年にはそれを基にした商品ファンドを立ち上げ、自らも運用に当たる。ツイッター (@yosoukai) のほか、YouTubeチャンネルでも毎日精力的に情報を配信している。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事