意外!コロナ禍でもNYへの渡航は余りに簡単だ NY在住の筆者が恐る恐る米国に再入国してみた
羽田空港国際ターミナルからの出国手続きは、極めて快適にスムーズに行われた。しかも、午前中の便だったこともあってか、空港も人影はまばらだ。営業している店も少なく、旅行者が激減した影響を改めて目の当たりにした。
出発前に立ち寄った、日系の航空会社のラウンジではかなりびっくりした。利用客が少ないのでファーストクラスのラウンジのみが開いているということで、なんと、そこへ通された。
もちろんチケットはファーストクラスではない。恐らく、このラウンジを使うのは、これが最初で最後だろう(笑)。しかも、食事はブッフェスタイルではなく、欲しいものを注文すれば作ってくれるというオーダー形式。しかも席までスタッフが持ってきてくれるので、ますます恐縮した。だが、これは「むやみにラウンジの中を動き回るな」という意味もあるものと思われる。また、直前は、国際線での出国ということも有り、検温などの健康チェックもなく普段と変わりなく搭乗できたことも、付け加えておきたい。
筆者がいつも使っている航空会社は、まだ週末にNY直行便を飛ばしていない。よって、今回はまずはシカゴまで約10時間の空の旅をスタートさせた。機内もほぼ想像通りで、搭乗率は10~15%といったところだろうか。1列に乗客が1人、あるいは1組という感じだった。そういえば「911テロ」があった2001年、しばらくしてから日本に帰国した際も、こんな感じだった記憶がある。当然ながら、ソーシャルディスタンスもほとんど気にすることもなく、実に快適なフライトとなった。
アメリカ入国は超スムーズ、ただし学生ビザを除く
快適な10時間のフライトの後は、いよいよアメリカ・シカゴへの入国だ。いったいどういう状況になっているのか見当もつかず、非常に緊張する瞬間だった。だが、結論から言うと全く何事もないどころか、普段以上にスムーズに入国できるという、拍子抜けするような状況だった。
朝早い到着だったので、われわれの前の到着便は恐らく1便だけ、それも搭乗率が低いので、「入管待ち」の長い列ができることもなかったことは大きかった。そして、検疫関係者の問いかけなどの直接的な健康チェックも、筆者の知る限りはなかった。「こんなに簡単に通してよいの?」というのが、正直な印象だ。というのも、2002年秋以降にSARS(重症急性呼吸器症候群)が深刻化した際には、到着した飛行機に検疫関係者が慌ただしく乗り込んできて、乗客の体温をチェックしていたからだ。
もっとも、学生ビザでの入国者だけは、別のラインに並ばされ、入念なチェックを受けていた。恐らくは、全ての授業をリモートで行う学校の生徒などに関しては、学生ビザでの入国を認めない方針が打ち出されたことに伴う措置だろう。「リモートならどこででも授業を受けるはずだ」ということなのだろうが、時差の問題もあり、簡単なことではないと思うのだが・・・。
このように、途中のシカゴまでは非常に順調な移動だった。ただシカゴの空港に着いてみると、これが日本以上に閑散としており、店もほとんど開いていなかった。
飛行機での移動中は何が起こるかわからないので、とにかく食べられるときに食べておく主義なのだが、今回だけはハンバーガーかピザという、いかにもアメリカンなファストフードを買って食べるしか選択肢はなかった。
「アメリカの国内線にはかなり乗客が戻ってきた」とのニュースを目にすることもあったが、実際は「閑散」という言葉がぴったりとくるような状況だった。それでもシカゴからNY行きの便(米デルタ航空)も、搭乗率はさすがに1割や2割と言うことはなく、5割弱といったところだっただろうか。
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