MAZDA3のライバルは、本当に「輸入車」なのか 独自データから浮かび上がった意外な競合
ではMAZDA3購入者が最後まで悩んだ1台(最終比較検討車)を車種別で見てみよう。
トップはCX-30、そしてカローラスポーツ、カローラツーリングとカローラシリーズがランクイン。筆者は、同じ国産ハッチバックであり価格帯も比較的近く、そのうえで商品特徴が差別化されているカローラスポーツが1位だと思っていた。それだけにこの結果は意外なものであった。
ではMAZDA3購入者が最後まで悩んだ車種であるCX-30についても確認する。CX-30購入者の最終比較検討車を見ると、MAZDA3とは違う傾向が見えてくる。CX-30の比較車種としてはMAZDA3が頭一つ抜けている状態だが、MAZDA3と異なりトップ3をマツダが独占している。このことからCX-30は競争の激しいコンパクトSUV市場で他社に競り勝つというより、マツダ車の購入を決めた人が車種ラインナップを見渡した結果、購入にいたるケースが多いように読み取れる。
マツダ内でのぶつかり合い
1つのメーカーが良質な新型車両を複数投入し市場を活気づかせる。この方法がメーカー全体の販売台数を押し上げるのに効果的であることは疑うまでもないだろう。MAZDA3購入者の6割がもともとマツダユーザーであるように、マツダユーザーにとって乗り換え先のラインナップは豊富になっている状況だ。
ただ、その一方であまりにもマツダ内での比較が多いようにも見える。
CX-3とCX-30のように戦略的にサイズの近しい車両をSUVカテゴリーに投入しているわけだが、ボディタイプの異なるMAZDA3とCX-30の間でもユーザー層が重複しているのではないだろうか。
実際、先に示したデータのとおりCX-30購入者の約4人に1人はMAZDA3と最後まで悩んでいる。『Zoom-Zoom』、『Be a driver.』、そして『美しく走る。』といったマツダの哲学に共感するユーザーはしっかり囲い込めている。「運転すること自体を楽しむ」ために購入したマツダユーザーは多く、MAZDA3(59%)、CX-3(54%)、CX-30(51%)は5割を超え、インプレッサスポーツ(47%)、カローラスポーツ(45%)、BMW 1シリーズ(38%)、を上回る。
とはいえ、今後の販売台数を伸ばしていくうえでは、既存顧客とは異なるターゲットへ向けた強いメッセージも必要となってくるだろう。
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