ユーロ相場、8日のECB追加緩和に注目 敏腕アナリストが分析する為替相場

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ユーロが高止まりするなか、8日のECB理事会では、量的緩和があるのか。ドラギ総裁を中心としたECBの決断に市場の注目が高まる(ロイター/アフロ)

市場予想に反して、ユーロ高が継続

右表を見ていただきたい。2013年後半以降のユーロ相場を見ると、当初の市場コンセンサスに反して大幅なユーロ高が進んでいる。

2013年6月末の時点では、市場ではユーロ/ドルが当時の1ユーロ=1.30ドルから同年末までには1.27まで下落することが想定されていた。

だが、実際の相場は1.37までユーロ高が進み、2013年を締めくくった。足元は1.38台前後まで一段高となっている。一方、ユーロ/円相場も昨年6月の1ユーロ=129円から同年末までに132円までの上昇にとどまるとの予想に対し、実際の市場は同年末に144円まで上昇した(足元は141円前後)。

ECBのドラギ総裁は、3月ECB理事会後の記者会見で、2012年以降のユーロ高がインフレ率を0.4~0.5ポイント押し下げたとの見方を示したほか、4月13日の米ワシントンDCでの講演では「為替レートの上昇は、一段の金融緩和を必要とさせる」と述べた。実際、ユーロ圏HICP(消費者物価指数)の前年比上昇率は2013年6月のプラス1.6%から2014年3月にプラス0.5%まで減速した後、(イースター休暇の影響による)4月の反動も、プラス0.7%にとどまった。

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