台湾「学生の乱」の陰にTPP巡る米中綱引き

2つの大国の狭間で亀裂が深まる台湾の現状

占拠解除から1週間後も厳戒が続く立法院。門前にはまだ学生たちのテントが陣取る

3月18日から4月10日まで続いた、学生グループによる台湾・立法院(国会に相当)の占拠は「太陽花(ヒマワリ)学生運動」として世界から注目された。事態終結から1カ月を経ても、対立の根はまだくすぶっている。

「6月にはまた大きなデモがあるかもしれない」。前政権で閣僚を歴任した民主進歩党(民進党)元幹部はそうつぶやく。

なお強い政府への反発

今回の抗議行動は、台湾と中国の間で交渉が進む「サービス貿易協定」の審議で与党・国民党が強行採決を図ったことが発端だ。この協定は、中台間でサービス分野の市場開放を目指すもの。2010年9月に発効した事実上の中台FTA(自由貿易協定)、「経済協力枠組み協定(ECFA)」の一環を成す。

議場占拠を解くに当たっては、中台の交渉内容を立法院が監視するための「監督条例」を定めた後にサービス貿易協定を再審議するという合意があった。監督条例は6月までに成立させることとしたが、政府が提出した条例案は内容不十分との批判が強い。並行して、台湾で四つ目の原発の建設に対する反対運動も盛り上がるなど、政府批判に火がつきやすい雰囲気は依然残っている。

民進党など反対勢力は「サービス貿易協定は台湾社会の安定を損なう」との論陣を張っている。たとえば、中国人が管理職や専門職として台湾で働けるようになることが、労働者の大量流入を招くのではないかと懸念されている。

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