JR西日本、「ダウンサイジング経営」転換の衝撃 長谷川一明社長が語るコロナ後の経営の姿
――JR東日本は時間帯別運賃の検討を始めました。
鉄道運賃は国が上限運賃として認可したものだ。オフピークに運賃を下げる場合も国への届け出が必要になる。当社が勝手に運賃を設定するわけにはいかない。また、単に運賃を下げると鉄道会社としては減収になる。ピークの運賃を上げ、オフピークの運賃を下げてバランスをとらないといけない。
さらに、利用者によっては値下げになる人もいれば、値上げになる人もいることも考えなければならない。3年間赤字にならないと運賃値上げはできないといった国の規定もある。検討すべきことは数多い。
1日の時間帯で利用客を平準化させることも重要だが、季節による利用客の平準化も重要だ。ゴールデンウィークやお盆、年末年始といった繁忙期の運賃・料金をもっと上げて、閑散期の運賃・料金をもっと下げれば、鉄道利用が平準化されて、ずっと動きやすくなるのではないか。例えば、指定席特急料金の差は繁忙期が通常期より200円高く、閑散期は通常期より200円安いが、本来はもっと差があるべきだ。
明治以来の仕組みが障害に
――航空券はインターネットでの予約が一般化していますが、鉄道はどうですか。
新幹線のネット予約「エクスプレス予約」のヘビーユーザーは、全体からみれば一部にすぎず、多いのは窓口で購入する顧客だ。鉄道の利用者は航空機よりもはるかに多く、そういう面で鉄道はインターネットでいろいろなことができる余地がある。
それが今までできなかったのは、窓口で紙とペンと計算機で発売するという明治以来の仕組みが基本にあるから。今の技術ならきめ細かい運賃設定も可能だ。コロナによって非接触、キャッシュレスといった意識も高まっており、鉄道運賃のあり方、発売のあり方を根本的に進化させたい。
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