コロナ移住、結局「首都圏近郊」が人気なワケ 現実的に考えると地方移住のハードルは高い
もともと15年以上飼育している犬を最優先に考えた結果が自宅とオフィスを一緒にするという発想だったため、ペット可は絶対条件。駅からの距離は普段、車移動のため、まったく気にならない。コスト削減効果に加え、社員と共用の空間ではなくなったことから自分の趣味に合った空間作りができ、好きな音楽も聴き放題だという。これまでで最も居心地のいい住まい兼仕事場になった。
郊外のほうが無料で駐車できる場所が多く、車利用での外食も気軽というが、世田谷、目黒などと違い、ペット可のしゃれたカフェなどがないのが不満とか。
同物件には通勤しなくてもいい人や、通勤回数が少ない人からの問い合わせが増えており、現在居住している人も毎日出勤している人は少ない。自室以外に使える空間が多数あることから入居者間のコミュニティを重視しており、それがいいと選ぶ人もいる。単に郊外で安いからではなく、建物の質やプラスアルファで選ばれているといえそうだ。
通勤利便性最優先から一転、海辺の分譲賃貸へ
社会人になって以来職住近接を実践し、オフィスに歩いて行ける範囲に住み続けてきた小田理恵子氏が住み替えたのは、京浜急行本線久里浜駅から歩いて30分ほど、久里浜港の近くの分譲賃貸マンションだ。
「通勤にかける時間も体力ももったいないとずっとオフィス近くに更新のたびに引っ越しながら住んできましたが、オンラインで仕事ができるのなら、一度は海の近くに住んでみようと5月10日くらいに思い立ち、6月4日には引っ越しました」
行政と民間をつなぐ仕事をしており、最近、ある地方自治体からワーケーション絡みの受託があったため、自分の身で経験してみようという思惑もあった。自営業の夫は立地にこだわりはなく、海の近くという条件で物件をピックアップ、そこから賃料、防災・防犯面の安全性、立地などから絞り込んで夫が内見して決定した。
横須賀市自体は三崎にまぐろを食べに行ったことがあるくらいで探し始めるまでは認識外のエリアだったそうだが、鎌倉を始めとする湘南エリアよりも家賃が安く、千葉よりも現在オフィスのある渋谷への通勤がラクという判断。久里浜は始発もあって便利な立地である。地方では車利用を生活の前提にしているが、都心からのワーケーション利用なら車なしで考えたほうがサステイナブルとの選択でもある。
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