SNSがヘタな会社と使い倒す会社の決定的な差 若者にお金を使ってもらうための絶妙な仕掛け

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このようにソーシャル・マーケティングで成功するには、次の3つを意識することが肝要である。

①消費者の持つネットワークを活用する。
②消費者に自発的な参加を促している(メリットが明確である・面白さや美しさがある)。
③キャンペーンの目的が明確になっている。

例えば、ドロップボックスの事例では、消費者にとって明確なメリットがあり、消費者がプロモーションに自発的に参加するインセンティブがあった(②)。また、紹介システムは消費者のネットワークを利用してユーザーを増やしていく手法である(①)。さらに、キャンペーンの目的は「ユーザーを増やす」という1つに絞られていた(③)。ワービー・パーカーも同様だ。

ソーシャル・マーケティングは比較的安価で実施できるため、今では多くの企業が取り組んでいる。しかし実際には、ただやれば効果を生むという類のものではなく、場合によってはネット炎上などによってネガティブな効果を生んでしまう。上記のポイントを押さえ、適切な戦略を立てる必要がある。

シェアリングは新品市場を484億円拡大する

ソーシャル・マーケティングのメリットとしては、若者に訴求できるという点も挙げられる。

近年「若者は車を買わなくなった」「飲み会に行かなくなった」などといわれている。しかも、シェアハウスやフリマアプリなど、「シェア」(消費者間での共同利用や中古品売買)を好む文化が浸透している。

このことから、若者のあいだでは新品購入や外食のような一般的な消費が落ち込んでおり、若者にフォーカスしてマーケティングをしても効果が薄いのではないかと思う人もいるだろう。

しかし一方で、私の研究チームが調査したところ、若者はLINEスタンプ購入やYouTube上での寄付、通販などネットに関係した消費は多く、意外なことに支出に占める交際費も非常に高いことがわかった。そう、若者は「お金を使う好きな物」が変わっただけなのである。CDは買わなくなったが、ライブ市場規模は年々増加しているのだ。

さらに、消費者同士のネットワークを生かした「シェア」についても、実はフリマアプリは新品市場を食うだけではないことがわかってきた。私が2020年に研究したところ、フリマアプリでシェアすることは、新品市場を奪うどころか、むしろ484億円も拡大させていることが明らかになったのである。

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