JR西日本「N700S」導入で迫る500系時代の終焉

8両編成で柔軟性発揮、九州新幹線にも登場?

現在、「のぞみ」の全列車と、東海道新幹線と山陽新幹線を直通する「ひかり」、東海道新幹線内の「こだま」は、いずれも共通の編成で運転されている。2階建て新幹線として知られる100系が2003年に東海道新幹線内の運用から撤退して後、個室のない、グリーン車を3両連結した16両編成にそろえられたのだ。そのためN700Sも「のぞみ」専用ではなく、「ひかり」「こだま」に充当される機会がある。

一方、山陽新幹線には東海道新幹線ほどの需要はないため、「のぞみ」と東海道本線直通「ひかり」には16両編成が充当されるものの、同線内を走る列車には8両編成が多用される。これは、大きく山陽新幹線と九州新幹線を直通して新大阪―鹿児島中央間を走る「みずほ」「さくら」用のN700系と、新大阪―博多間のみを走る、主に「こだま」用の500系、700系の、2つのグループに分けられる。

このうち、九州新幹線直通用N700系は2011年営業運転開始であるので、置き換えは、もうしばらく先であろう。500系は1996年に「のぞみ」で営業運転を開始し、2010年に東海道新幹線から撤退した後は、8両編成に短縮改造されて「こだま」用になった。

700系は、山陽新幹線内の「ひかりレールスター」として2000年にデビューしたタイプで、2011年から「こだま」に転用されている。いずれも製造から20年が経過しており、時に1日2000km以上にも及ぶ過酷な長距離運用を連日こなすがゆえ平均でも20年以下と言われる、新幹線電車の“寿命”からすると長命なほうだ。

500系の終焉が迫る

N700Sは、JR東海とJR西日本の共同開発であったN700系とは異なり、JR東海が単独で開発した。こうした例は300系以来だ。300系も、JR東海の量産車投入に合わせ、JR西日本も同一仕様の300系を新製投入している。東京―博多間への「のぞみ」の運転区間拡大に合わせ、他社から乗り入れてくる車両の使用料の相殺を図っての措置だ。

山陽新幹線の「500系」(写真:F4UZR/PIXTA)

N700Sの場合もN700系の置き換えが進んでゆくと、300系と同様、「のぞみ」用16両編成をJR西日本が導入することが考えられよう。JR東海の単独プロジェクトではあるものの、JR西日本も応分の開発費用を負担しての計画とみられる。

さらに現有車両の製造年次から考えて、16両編成とは別に、「こだま」用500系、700系を置き換えるため、8両編成のN700Sの新製も当然、JR西日本は構想に入れているものと思われる。流麗なデザインを今日まで保ち、絶大な人気を誇る500系も長年の酷使による老朽化には勝てず、N700Sの完成により終焉の時が迫っていると見るべきだ。

すでにJR西日本はN700Sを導入する意向を示している。同社にしてみれば、需要が少ない山陽新幹線向けの、短編成が組める新型車両は願ったり叶ったりであるはずだ。

次ページN700SをJR西日本が持つ”効用”
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事
  • コロナ後を生き抜く
  • 財新
  • 晩婚さんいらっしゃい!
  • コロナショック、企業の針路
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
スペシャルインタビュー<br>元ラグビー日本代表・畠山健介

今年から米メジャーリーグ・ラグビーのチームに所属、華やかな選手生活とは裏腹に幾多の葛藤を乗り越えてきた畠山選手。「ラグビーファンの拡大には、リーグのプロ化が不可欠だ」。新天地にいる今だから見えてきた日本ラグビー改革論を熱く語ります。