親は「子供の大学費用」をどれくらい出すべきか JKだって超知りたい!「人生に必要なお金」

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キャッシュフロー表ができたことで、パパとママがなんとなく話あっていたことも、「見える化」できたようだ。ひとことでいえば、こんな具合だ。

現在大学3年生の姉が卒業するときの大里家の貯蓄残高は約500万円。花実の志望校「三番町大学薬学部」の初年度納付金(入学金と授業料など)は約250万円だ。ということは、この時点で貯蓄はかなり心細くなる。

「見える化」すれば、「打つべき手」が見えてくる

「あら。ちょっと足りないわね。花実もお姉ちゃんみたいに国立大学に行ってくれると思ってたから」

「うん、でもまあ、2人で働けばなんとかなるんじゃないか」

確かに、次年度からの毎年の学費約200万円を、自転車操業的に支払っていくことは、計算上は可能だ。ただし、今後、いま48歳のパパの収入が下がってしまうとその道はなくなる。

「ここは、厳しく考えておくことが必要じゃないか。いい機会だ。将来のお金の計画を立て直してみよう」

パパの一声で、大里家は、「家計改善策」を話し合うことになった。

FPエマ先生からのアドバイス

実は、学費を自転車操業的に支払っていくという家庭は少なくありません。50代は、生涯のうちで収入が高くなるので、なんとかなる場合も多いです。また、30代の前半くらいまでに結婚した人なら「無理して教育費を払っても、子供が独立してから本格的に老後資金をためていける時間がある」と主張する人もいます。

しかし、晩婚化が進み「教育費」「住宅ローン」「老後の資産形成」の3つが重なっている人も多いでしょう。また、今回のような「新型コロナ不況」の中での収入減という状況になれば、計画も大きく狂ってしまいます。今のタイミングで、長期的な視点に立って、「お金の計画」を立て直すことは大切です。

まず、教育費については、所得制限に該当せずに奨学金を利用できるのなら低金利の奨学金を借り入れ、返済計画をしっかり親子で話し合うことです。

その際「どこまで子供の負担とするのか」は重要です。親の老後の生活に支障の出ない範囲内で、いくらまでなら援助することができるのを考えましょう。大切なのは、親も子供も自分の「必要貯蓄率」を守れる家計にすることです。この必要貯蓄率については、回を改めましょう。

住宅ローンは、返済期間と残高を確かめ、借入金利1%以上、残りの返済期間10年以上、借入残高が1000万円以上ある人は、借り換えを検討しましょう。また、現在の借入金利を下げてもらえるように交渉するのも手です。返済額を下げることができれば、家計の支出を効率的に減らせます

一方、収入を増やすことも考えてみましょう。例えば、妻が厚生年金に加入できるように「働く時間」を増やすと、貯蓄が増やせるだけではなく、将来受け取れる年金額が増えます。また、60歳定年後も再雇用や継続雇用でなるべく長く働けるように準備していきましょう。

次回は7月26日掲載の予定です。

岩城 みずほ ファイナンシャルプランナー・CFPⓇ

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いわき・みずほ / Mizuho Iwaki

特定非営利活動法人「みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、お客様の利益を最大限に、中立的な立場でのコンサルティングほか、講演、執筆を行っている。
慶応義塾大学卒。NHK松山放送局を経て、フリーアナウンサーとして14年間活動後、会社員を経てFPとして独立。著書に増補改訂版『人生にお金はいくら必要か』(山崎元氏と共著・東洋経済新報社)、『やってはいけない!老後の資産運用』(ビジネス社)、『「保険でお金を増やす」はリスクがいっぱい』(日本経済新聞出版社)、『結局、老後2000万円問題ってどうなったんですか?』(サンマーク出版)ほか多数。HP

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