医師の過重労働 江原朗著

医師の過重労働 江原朗著

医師不足を原因とした病院の閉鎖・縮小、救急患者の受け入れ不能が全国で相次いでいる。本書は主に小児科医療の検証を通じて、医師不足の根底にある医師の過重労働の実態を多面的に解明した数少ない労作だ。

特に、長時間労働に起因する医師の過労死や過労自殺の実態、医療事故など安全面への影響についてのここまで詳細な検証は、ほかに例がない。

医師の労働時間については、日本のみならず、欧米の実情についても詳しく触れている。著者は数多くの文献調査や情報公開請求を通じ、日本の多くの医師が異常な長時間労働を強いられている実情を指摘。過労死・過労自殺の労災認定申請が小児科医や産科医で多いことも明らかにした。

そして過重労働の解決には、不必要な夜間・休日の「コンビニ受診」の抑制のみならず、医師の重点病院への集約化が必要だと指摘する。医療を守るためには、国民の努力が必要だというのが一貫した主張だ。

勁草書房 2625円

  

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 「非会社員」の知られざる稼ぎ方
  • 就職四季報プラスワン
  • 山本シンヤが迫るクルマ開発者の本音
  • 中学受験のリアル
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
海外進出、そして株式上場へ<br>新日本プロレスの復活と野望

どん底の2000年代を経て鮮やかなV字回復を果たしたプロレス界の雄。キャラクターの異なるスター選手を複数抱え、観客の4割は女性だ。外国人経営者の下、動画配信や海外興行など攻めの姿勢を見せる。株式上場も視野に入ってきた。