「地球生態学」で暮らそう 槌田敦著

「地球生態学」で暮らそう 槌田敦著

30年前「地球は(閉じた)宇宙船地球号ではなく、入り来る太陽熱と宇宙への廃熱の放出とで成り立つエンジンである」と主張した著者が、その集大成として地球のエネルギー循環を生態学の視点から詳細に述べた異色の書。

エネルギー、元素、水、養分などが陸地と海洋をどのように循環するのか、それが産業や社会をどう規定しているのかなどエントロピー概念も適用しつつ丁寧な説明が続く。

中世にはげ山だらけだった日本が森林国家になったいきさつ、雨が降らないから世界が砂漠化するのではない話、川を下っていく養分が山地に遡っていく仕組み等、興味深い話題が随所にある。

中でも生物の糞や死体が陸や海で循環しつつ重要な役割を果たすことについての記述は著者の独壇場だ。「耕さない農業」はじめ自然に寄り添って暮らすためのヒントも興味深い。

地球環境、農林・漁業はじめ、われわれの暮らしを考えるうえの問題提起がたっぷり詰まっている。(純)
 
ほたる出版 1575円

  

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 夢を諦めない「脱会社員の選択」
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 新型コロナ、「新しい日常」への前進
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
トレンドライブラリーAD
人気の動画
早慶上理・MARCH・関関同立、少子化でどうなる?
早慶上理・MARCH・関関同立、少子化でどうなる?
築40年超「老朽マンション」丸ごと建て替えの大問題
築40年超「老朽マンション」丸ごと建て替えの大問題
山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた
山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた
「安売り日本」はもう限界、ニッポン再生計画
「安売り日本」はもう限界、ニッポン再生計画
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
日米の躍進銘柄を総まくり<br>発掘! 未来の成長企業

米国の株式相場上昇に目を奪われがちですが、日本でも未来を牽引する成長企業は確実に育っています。本特集では「新興成長企業」や「トップの通信簿」などのランキングを掲載。GAFAMやメルカリの次の新主役を探しましょう。

東洋経済education×ICT