中高年の婚活を難しくする厄介な「4つの条件」 「マザコン」と「母親を大事にする男」は紙一重

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その後、里江(41歳、仮名)と、見合いの後に交際になった。里江は、秀明の家の最寄駅から3駅離れた場所に住んでいたので、結婚後に秀明の持家で暮らすことに問題はないだろうと、私は思っていた。

ところが、秀明が仮交際から結婚を前提にした真剣交際の申し出をしたところで、里江の相談室から “交際終了”の返事が来た。

「秀明さんは、お母様の話をよくされていたようです。お父様が亡くなって、お母様1人だから、ご心配なのでしょう。お母様を大事にすることは決して悪いことでなないのですが、“結婚後に自分よりもお母様のことを優先させるのではないか”“結婚して何年か後に介護の負担が自分にかかってくるのではないか”と思ったようです」

母親の話題を多く出す男性に、マザコンの臭いを感じる女性は多い。

男性側の親の介護の心配もある。生活圏内で出会った恋愛結婚ならば、すでに相手に対する愛情が育っているので、老いた親がいることもあまり気にならない。また20代、30代前半ならば、親も現役で働いているので、“いつかは親を介護するときが来る”というところまで想像が及ばない。

しかし、お見合い結婚の場合、まずは相手を条件で判断してそこに気持ちを重ねていく。婚活者が40代、50代の場合は、親も70代、80代になっているので、親の介護を直近の現実的な問題として捉えてしまう。

私は、交際終了になった理由を、秀明に告げた。すると、彼が言った。

「母親はまだ元気だし、結婚しても同居はありませんよ。母も、『この年になって、お嫁さんに気を遣いながら暮らすのは嫌だ』と言っていますしね。ただ、人間みんな平等に歳を取るのだし、介護しないといけなくなったら、そこは面倒をみるつもりでいますよ。親に育ててもらった恩もありますし。ただお嫁さん1人に、介護を任せきりにするなんてことはしませんよ」

そうは言っても、目と鼻の先に老いた姑が住んでいる場所に、嫁に行きたくないと思う女性たちが多いのは現状だ。

ペットは家族だが、縁を遠ざける

その後、秀明は見合いを再開し、麻由香(40歳、仮名)と交際するようになった。ところが、2度ほど食事をして、今度は秀明が交際終了を出してきた。

「麻由香さんは、1人暮らしだけれど、猫を2匹飼っている。それはプロフィールに書いてあったから、知っていました。お見合いのときには『結婚して猫が連れて行けないなら、猫は実家で育ててもらう』と言っていたのですが、『結婚したら、一緒に連れて行きたい』というのが本音のようです。僕は、猫アレルギーで、猫を飼っている家に行くと、くしゃみと鼻水が止まらなくなるんですよ」

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