「大阪の観光業」コロナ終息後に盛り上がる根拠 外国人旅行客を「5年で3倍」にした高い潜在力
今は新型コロナウイルスの影響でインバウンドは減少していますが、観光関係者の中には、終息後はまたインバウンドは拡大すると見ている人が多数います。それだけ関西には観光コンテンツがたくさんあるということでしょう。こうした実力を考えると、新型コロナ禍が終息すれば、関西の観光業も「逆襲」することは間違いありません。
1日に3万人が訪れる「大阪のミナミ」
では、どうしてこのように、多数の訪日客を関西が呼び寄せているのでしょう。これには以下のようなポイントが見られます。
大阪の人気スポットは、大阪観光局の2018年調査によれば、訪問者数ランキング1位が道頓堀(心斎橋・難波)で、以下、大阪城、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、日本橋、黒門市場と続きます。
また、訪問地に大阪を選んだ理由は「観光地」としての魅力に続き、「食事」が魅力的という回答が、「ショッピング」を抜いて2位になっています。これがリピート客増加にもつながっています。
実際、東京と大阪に住んだことがある何人かの中国人の方とお話ししたところ、東京よりも大阪のほうが中国的な雰囲気があり、なじみがあるので、一度来ると何回も来たくなると言われました。
大阪のミナミには、心斎橋筋商店街に加えて、黒門市場という商店街が存在します。147店舗が連なる巨大商店街で、1日の客数が約3万人、その80%が外国人という、インバウンド誘引の大成功例です。
和服姿の外国人向けコンシェルジュを配置したり、食べ歩きできるように串焼きにしたり、店先でテーブルサービスを提供するなど、多言語対応を含めてさまざまな工夫を凝らした結果、大阪の食を支える市場として「黒門」が訪日客にも知れ渡ることになりました。
10年くらい前までは地元の人が買い物をする、どこにでもある商店街でしたが、今は、食べ歩きをしたいという海外旅行者の意見を反映させて、食べ歩きのスポットとなりました。お客さんのニーズにすぐに対応する大阪商人の心意気を感じます。