大阪のオフィス市場、漂う「坪4万円」への暗雲

「大空室時代」のトラウマが賃料上昇の壁に

大阪駅前に立つグランフロント大阪。2013年の竣工から満床になるのに4年かかった(記者撮影)

「商談がすべて吹き飛んだ」

大阪市内の不動産会社が打ち明けるのは、同市でまもなく竣工を迎えるオフィスビルだ。周辺エリアでは久々の新築ビルとあってテナントの注目も高かったが、コロナ禍で移転見合わせの申し出が相次いだ。7月14日現在、いまだ全フロアでテナントを募集している。

空室率が高止まったままの「冬の時代」が長く続いた大阪のオフィス市場。コロナ禍はその大阪オフィス市場に冷や水を浴びせかけた。

「坪3万円にも届かない」との弱音も

「坪3.5万円がいいところでは」。大阪市内のオフィス仲介業者がそう予測するのは、大阪駅の目と鼻の先で阪神電気鉄道と阪急電鉄が共同で建設中の「大阪梅田ツインタワーズ・サウス」だ。地上38階建て、延べ床面積約26万平方メートルの超高層ビルは2022年春に竣工予定。大阪市内でも指折りの好立地であることから、高賃料が期待できるオフィスビルだと見られていた。

複数のオフィスビル関係者によれば、コロナ前は坪3.8万円前後での成約を目指していたようだ。商業店舗や小規模なオフィス区画を除いては、「大阪市内でこれまで坪4万円に達したオフィスビルはない」(仲介業者)。未開の領域へと到達できれば、大阪の賃料相場を一段引き上げると期待されていた。 

しかし、コロナ禍で暗雲が垂れ込め始める。地元のデベロッパーからは「坪3万円にも届かないのでは」との弱音さえ漏れる。ツインタワーズ・サウスの事業主代行を務める阪急阪神不動産は、「供給の少なさや立地の良さから多数の引き合いがあり、(テナント募集は)好調に進んでいる。テナント内定状況や賃料についてはコメントできない」と述べるにとどまる。

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