バフェットが「コロナ禍でも変えなかった遺言」 投資の神様が推奨する超簡単な投資法とは?

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これこそが今年の株主総会で、バフェットが最も強調していたことだ。「Never bet against America.」(「アメリカはこれからはだめだ」、のほうへは賭けるな)。

バフェットは、アメリカが建国以来、たった230年余にすぎない大変若い国であることをいつも強調する。

そして、これまで独立戦争、南北戦争、大恐慌、2つの大戦、1987年のブラックマンデー、「9.11」、2008年のリーマンショック、そして今回のパンデミックと幾多の困難に遭ったが、すべてに打ち勝ってきたという。

「アメリカの追い風は止んでいない。この国への追い風は驚異的だ」。これだけバフェットが母国に強気なのには、アメリカの建国の精神、優れた経済システム、チャレンジ精神あふれる国民性、実力が正しく評価される仕組み、正義を重んじる法体系など、アメリカという国の根幹にかかわるところに根差しているように、筆者には感じられる。

多くの人々は「S&P500」を買っておけば十分

今年はコロナ禍で7週間も髪を切れなかったという(写真:米yahoo!financeの中継画面より筆者撮影)

そしてバフェットは、こう続ける。「ビジネスに投資するという考え方が大事だ。クロスセクションで(業種をまたいで)。私の考えでは、多くの人にとって、最も良い方法は、S&P500インデックスファンドを買うことだ。私は、妻に遺産の90%をこのインデックスファンドにするという遺言を変えていない。違うアドバイスをして、たくさんの報酬をもらっている人から聞くよりもずっといいアドバイスだと思う。このインデックスファンドを勧めても、たくさん報酬はもらえないからね」。

こうして、インデックスを上回れずに高い手数料を課すアクティブファンドや、高い報酬をもらうがためにインデックスファンドを勧めないアドバイザーをこき下ろす。

バフェットは、今年の無人の株主総会でも、実に4時間半、いつもと同じように、株主からの質問に誠実に答えていた。

いつも思うのだが、あの体力は一体どこから来るのだろうか。筆者が推察するに、まずは、好きな仕事をやっているということが、根底にある。次にあるのが、社会や株主のために自分ができることを果たそうという心構え、誠実さ。これを強く感じる。こういった取り組み方、考え方が、今のバフェットの体力、知力を保っている源泉ではないだろうか。

尾藤 峰男 独立系資産運用アドバイザー

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びとう みねお / Mineo Bito

びとうファイナンシャルサービス株式会社代表取締役。1978年早稲田大学法学部卒業、日興証券入社。1999年まで21年間在籍、英国やカナダ、豪州でも勤務。2000年独立し会社設立。金融機関から完全に独立した資産運用アドバイザーとして活躍中(投資助言・代理業登録、関東財務局)。著者に『いまこそ始めよう 外国株投資入門』『バフェットの非常識な株主総会』などがある。

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