バフェットが「コロナ禍でも変えなかった遺言」 投資の神様が推奨する超簡単な投資法とは?

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バフェットに言わせれば、こうだ。「私は、いま株を買うのがよい時期か、わからない。2年後、うまくいっているかわからない。2008年、2009年の時も、最初に全てが起きたわけではなかった。これからもっと悪いシナリオが続くと見る。

実際、2008年9月リーマンショック時の買いは、タイミングがひどかった。結局、4,5か月待てば、もっといい条件でできたという結果になった。しかし条件は大変魅力的だった。タイミングはひどかったが、いい結果に終わった。コロナウイルスは、夏に収まっても、第2波もありうる。健康への未知は、経済への未知を作る。今は未知に向き合っている。6カ月先がどうなるか、わからない」。

要は、まだこれから、もっと悪いことが起こりうるといっているのだ。逆に言えば、バフェットはそれを待っているともいえる(筆者注:バフェットは2008年9月当時、NYダウが約1万ドル前後の時、ゴールドマン・サックスに50億ドル投資、10%の利回りの優先株とワラントを取得。またGEにも30億ドル投資して、10%利回りの優先株とワラントを取得している。その後、ダウは2009年3月に7000ドルを割り込んだ)。

また、バークシャーの株価が一時年初来高値から30%も下がったのに、第1四半期に17億ドルしか自己株買いをしなかったことについて、バフェットはこう言う。少し長くなるが引用しよう。

「株価が30%下がったといっても、ほんのちょっとの間だ。第1四半期に高い価格で自己株買いをした時と今では、際立って現在価値に対して割安になっているとは思わない。(自己株買いは)いつも考えているが、3カ月前、6カ月前と違い、いまは、買いたい気持ちにならない」。

しかし、こう続けた。「いつでも可能性はある。様子を見よう。その時の価値に対しての価格がある。あるものの価値が下がったということ。我々のエアライン買いは間違いだった。バークシャーは、エアラインを買ったから、現在の価値が下がった。前に買っていた時より、いまはそれほど自己株買いに向かう気分ではない。株価が自己株買いをするのに十分下がったように見えない」。

要は、バフェットはもっと下がる余地があるとこのときは見ていたわけだ。

アメリカの将来に揺るぎない自信

一方で、バフェットは自己株買い枠を決めて、プログラム的に自己株買いを実施する企業を批判する。「これは外に出て、そのお金でどんな価値のものを買うのか考えないで、決められたお金を使うようなものだ。買う対象の価値に敏感であるべきだ。自己株買いが必要かどうかも、よく考えるべき。流行っているから、あるいはそのアイディアが好きだからやっている、という傾向がある。全く愚かな自己株買いもある。不道徳だとは思わないが、愚かだと思う」。株主からの質問にはこう答えていた。

では、バフェットはアメリカの将来を悲観的に見ているのだろうか。決してそうではない。バフェットが不透明感を感じているは先行き、せいぜい2,3年先までのことだ。20年、30年先のアメリカについては、大変明るい未来が訪れることを確信しているのだ。

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