バフェットが「コロナ禍でも変えなかった遺言」 投資の神様が推奨する超簡単な投資法とは?
バフェットはこう言った。「航空事業の展望は、コロナウイルスの感染拡大で大きく変わった。これから人々の行動様式は大きく変わる。家で仕事ができれば、違った方法でビジネスができることがわかる。ビジネスが70~80%戻っても、飛行機は余る。多すぎる。エアライン株には70~80億ドル投資し、魅力的な額を買えた」。
だが、ひとことで言えば価値判断を間違ったのだ。「買ったときに判断をしたなかで、低い確率で見ていたことが起きてしまった。経営はよくなされており、経営陣の責任ではない」。バフェットは、このように株投資の失敗を率直に認めた。同時に、連邦政府が救済に乗り出し、巨額の資金提供を行うと同時に、ワラント(新株引受権)を安値で引き受けることになったことも嫌ったようだ。
リーマンショック時よりもチャンスは少なかった
では、自己株以外に、なぜ何も買わなかったのだろうか。まず一つの要因は、2008年のリーマンショック時との違いだ。今回のコロナショックでは、Fed(連邦準備制度、ただしバフェットは連邦準備理事会を指している)が機敏に対応した。
つまり大胆な金融緩和や大量の資金供給を行い、企業は巨額の資金を容易に調達できた。バフェットは、「Fed(おそらくパウエル議長)に『よい仕事をしてくれた』と感謝レターを送った」と言っているほどだ。
要は、バフェットが登場する出番がなかったのだ。リーマンショックの時は、クレジットクランチ(信用収縮)が起き、金融機関が資金の出し手にはなりえず、バークシャーは「救いの神」のような存在だった。競争がなく、大変有利な条件で優先株やワラントを引き受けられたが、今回はFedが大きな役割を果たしたわけだ。バフェットに言わせれば「現在は借りるのにはいい時期だが、貸すにはいい時期ではない」という。言うまでもなく、バークシャーは貸す立場である。
同社は3月末現在で1370億ドルの現金同等物を持っていた。このうち1250億ドルは財務省短期証券だ。この巨額の資金で市場株式を買おうと思えば、いくらでも買えたのに、なぜ買わなかったのか。
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