女子ゴルフ「4カ月遅れの開幕戦」が示した未来 4日間合計の中継視聴回数は670万を突破
費用を負担する主催者がトーナメントを実施する目的は、大きく2つある。
1つは、主催者の取引先や得意客を招待して、大会の前に行われるプロアマ大会や前夜祭を楽しんでもらうことだ。ここでプロと親しく交流してもらい、ビジネスチャンスにつなげるわけである。
もう1つは、テレビ中継でCMを流して自社の製品やブランド力のアピールするほか、大会が多くのメディアに取り上げられることによって社名やブランド名を拡散し、ブランド価値を高めることだ。
これらの点から、今回のアース・モンダミンカップを振り返ってみると、コロナ禍でプロアマ大会や前夜祭は行われず、中継ではCMも流されなかった。しかし、緊急事態宣言終了後の初のゴルフトーナメントで多くのメディアに取り上げられ、ブランド価値の向上につながったことは間違いない。
5年ぶりに復活優勝した渡邉彩香に優勝杯を渡したあとのリモート会見で、大塚会長はこう語った。
「最初から最後まで各ホールで多くの選手を生中継できたことは、ゴルフの新しい見方を提案できたのではないか。インタビューチャンネルで全選手のインタビューを中継して、大会価値と選手の魅力を違う形でファンの方々にお伝えできたと思う」
さらに、今年の中継にCMを入れなかったことについて、「存分にトーナメントを楽しんでもらうことが主目的で、ビジネスに利用することはマイナーな目的。CMを入れないことで視聴者が楽しめるのであれば、そのほうがいい。来年も引き続きCMなしでやっていきたい」と明言した。
ツアー2戦目はどうなる?
渋野日向子をはじめとした黄金世代の活躍や、それに続く安田祐香などのミレニアム世代が注目される中、アメリカで活躍する畑岡奈紗や昨年の賞金女王・鈴木愛も加わり、女子トーナメントは大きな盛り上がりをみせている。
4カ月遅れの開幕戦は、新しいゴルフトーナメントの1つのあり方を示した。ただ、ウィズコロナの状況下、トーナメントを主催する企業がどのような考え方を持っているかによって、対応は大きく変わる。その意味において、ツアー2戦目がどのような形で運営されるかが注目される。
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