JR・西武・阪急阪神「株主総会」どんな質問出た? コロナで参加減り時間短縮「株主軽視」の声も
審議時間の最後に、後藤社長は「今回の新型コロナは、2004年の西武上場廃止、2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災、2013年のサーベラスとの緊張感の高まりよりも厳しい、かつてないクライシスだ」という認識を示したうえで、「西武はこうしたピンチをチャンスと捉え、企業価値を高めてきたという自負がある。社内でいろいろなアイデアが出ており、スピード感を持って実施していく。持続的な成長を続けていくので当社の株式をぜひ長期間保有してほしい」と述べた。
主な質疑応答の内容は以下のとおり。
Q:来年の株主総会はメットライフドームで開催してほしい。
A:当社の株主の多くが沿線在住。池袋線と新宿線が結節する所沢から総会の会場を変更する予定はない。
Q:松坂大輔投手を早急に投げさせてほしい。
A:選手の起用法は監督に任せている。
Q:身体・知的障害者と同様に精神障害者への運賃割引を制度化してほしい。
A:貴重なご意見として承る。
Q:東京駅や門司駅のように100年、200年後にも人々が訪れるような美しい駅を造ってほしい。
A:駅を改築するチャンスがあれば取り組んでいきたい。飯能駅は自然あふれる飯能エリアの玄関口というコンセプトでリニューアルをした。
阪急阪神HD、タイガースの質問少なめ
関西では、阪急阪神ホールディングスが6月17日に大阪市の梅田芸術劇場で株主総会を行った。出席株主数は295人で、やはり例年と比べると激減している。ただ、質問した株主は13人で質問件数は17件。JR東日本や西武HDと比べると質問の数が多く、総会の所要時間は1時間44分だった。
同社の株主総会は例年、阪神タイガースに関する質問がたくさん出て、会場を大いに沸かせることで有名だ。しかし、今年に限っては阪神タイガースに関する質問が少なめだった。
今回取材した3つの株主総会はいずれも例年と比べて出席者が少なく、質疑応答の時間も短かった。コロナ感染を避けるためにはやむをない対応だったが、ある株主は、「コロナ感染リスクを覚悟のうえで総会にやってきた。それなのに質疑応答の時間を短くするのは株主軽視ではないか」と憤る。
今年はあくまで特例。今回、株主総会の所要時間を短時間化したからといって、これを先例とすべきではない。
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