コロナ直撃で1位は?大手私鉄の「利用客減少率」

3月のデータで各社比較、意外な減少要因も

新型コロナウイルスの影響で大手私鉄各社も利用が減少している。近鉄は3月の定期運輸収入が17.8%減った(写真:tesshy/PIXTA)

新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言発出に伴い、鉄道の利用者が激減している。では、鉄道会社によって減少の程度はどのくらい異なるのだろうか。

JRをはじめ多くの鉄道事業者が、利用者がどう変動したかに関するデータを発表している。これらは特定の事業者における時系列の比較としては便利だが、各事業者がそれぞれのタイミングで発表しているので、事業者間の比較には適していない。

そこで、大手私鉄各社が発表している月次営業概況を用いて、各社間の比較を試みた。月次営業概況には輸送人員と運輸収入の両方の数字が掲載されているが、一部の会社は輸送人員を開示していないので、運輸収入で比較を行った。

コロナ以外にも減少要因が

月次営業概況は通常翌月末に発表されるので、現時点で得られる最新データは3月末時点ということになる。3月は緊急事態宣言発出前であるが、各地で月初めから学校が休校となっているほか、中旬以降は在宅勤務やテレワークの推奨、人混みへの不要不急の外出自粛といった動きも始まった時期である。

なお、3月の営業概況は通常なら4月末ないし、決算発表と同じタイミングで発表されるが、現時点で発表していない会社もある。名古屋鉄道は昨年は3月の営業概況を5月10日に発表したが、今年は5月14日時点で未発表。東京メトロはほかの大手私鉄とデータの取り方が異なるため、比較対象から外した。したがって大手私鉄16社中、14社間の比較となる。

まず、定期客について見ていこう。最も運輸収入の減少率が大きかったのは近畿日本鉄道の17.8%減。次いで小田急電鉄の13.4%減となった。3位は京王電鉄と東急電鉄で13.2%減だ。1位は関西の私鉄だが、2〜9位は関東私鉄が占めた。

近鉄の減少率が大きい理由について、近鉄側は「他社との比較という点ではわからない」としつつも、「3月に大きく落ち込んだ理由はコロナ関連の要因に加え、10月消費増税前の6カ月定期先買いの反動減ではないか」とみる。近鉄では9月の定期の収入が20.1%増となっている。この数字も他社と比べて突出している。この反動減と考えれば辻褄が合う。

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