「なぜか出世が早い人」がやっている3つの発言 「頑張れば認められる」は他人を信じすぎだ
その前提で考えると「価値を伝えるプロセス」は組織内における個人にこそ求められている。なぜならば、組織内で上司や会社に対して自分が仕事を通じて成果を出したプロセスを説明することは、上司の立場からすれば不明瞭な内部の評価に一定の基準を与えることになる。さらにそのプロセスが言語化されることで横展開されて、個人知が組織知になる。
そんなときに仕事が成功した秘訣や過程を丁寧に説明してくれる人がいたらどうだろうか。もしあなたが、現場の仕事で頑張っているのに、成果も出しているのに、いまいちきちんと評価されていないとしたら、価値を生み出すことに精いっぱいで、価値の証明ができていないのかもしれない。
ちょっと面倒かもしれないが、そんなに難しいことじゃない。次のランチタイム、あるいは朝や夕方のお茶の時間、もしかしたら仕事帰りの飲み屋でもいい。上司や組織内の評価をする人間を連れ出して、あなたのその自慢のプロジェクトの成果だけではなく、プロセスについて面白おかしく語ってあげることだ。あなたが生み出したすばらしい価値を周りに伝えることに、手を抜いてはいけない。
気をつけるべき3つのステップ
仕事の価値を説明するときは次の3つのステップに気をつけておくといい。
プロジェクトリーダーなのか、マネジャーなのか、ムードメーカーなのか。関与度とあわせて自分がどうやって貢献したかを説明する。
同じようにそのプロジェクトが会社にどんなよい影響を与えるか、利益機会の創出なのか、話題性やブランド価値の向上なのか、採用や株価にインパクトがあるのか。再現可能であることを前提に説明する。
さらに、そのプロジェクトを進めることで、自分たちの企業が社会にどんなインパクトを与えられるかという視点が必要だ。小さなプロジェクトかもしれないが、その一歩が企業の成長を、日本の未来を変える可能性がある。それくらい大きな視野で説明する。
以上の3つのステップを踏まえながら説明することでプロジェクトの再現性、個人の成長性、そして社会的インパクトを組織に伝えることができる。
上司だって基本はただの人だから、ここまで説明されると自分の足元でとんでもないことが起きていることに気づく。彼の視点に立つと、今度はこのプロジェクトを否定したら自分が責められるんじゃないかと想像することもあるだろう。そこまで考えると、プロジェクトを進めているときからどうやって価値を伝えるか、シナリオを考えることだってできるかもしれない。
ただ忘れてはいけないのは、評価されるために仕事をするわけじゃない。次にいい仕事をする権利を手にするために、いい仕事をするんだ。
社会人になりたての頃、大手広告代理店でプランナー見習いになりながらも、組織と折り合いがつかず会社に干されて文句ばかり言っていた頃、当時交際していたIT系企業の女性からたしなめるように言われた言葉が今でも忘れられない。「仕事の報酬は仕事だよ」だってさ。
賞も大事だ。利益も大事だ。でも何よりも欲しいのはチャンスだった。この一言は、今でもぼくの胸の奥のすぐに取り出せる場所に置いてある。
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