自分は洗脳されていないと思う人の大きな誤解 世の中はすべて洗脳、悪い方向に行かない為に

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あらゆるものがメディアになるわけですが、一般的に人間の倫理や宗教は、メディアの進化とともに変化してきたと言えます。

聖書は紙(paper)の語源ともなっているパピルス(papyrus)で広まり、活版印刷の登場によってさらに普及しました。

近代では、ナチスドイツはラジオの登場とともに支持者を獲得し、最近はトランプ大統領がSNS、主にTwitterを使ってその思想を広く喧伝しています。このように新興勢力とメディアの変遷には切っても切れない関係があります。

SNS黎明期の危険

最近ではYouTubeのような動画投稿メディアが普及してきました。TikTokもそうです。それこそNHKから国民を守る党はYouTubeから誕生した政党ですし、私が立ち上げたしょぼい政党も私自身がユーチューバーですから、このメディアを使って自分たちの考えを広めていこうとしています。

だからこそ、メディアのいい側面を当然知ったうえで、その善しあしは裏表の関係であって、無条件にいい面だけを信じることは非常に危険であることを伝えていきたいと思っています。

そして、メディアの黎明期は、新興勢力が支持を拡大していくのにうってつけの時期です。現在、SNS全般がまさにその時期にあります。

『批判力 フェイクを見抜く最強の武器』(実業之日本社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら

日本では1995年にWindows95が発売されてから、国内におけるインターネット市場が急速に発展しました。誰もが無料で情報にアクセスでき、情報を発信できるようになった。さらにはここ20年あまりで、2ちゃんねるやミクシィが登場し、あらゆるものが誕生しては淘汰されつつ、FacebookやTwitter、そしてYouTubeなどのSNSが登場し、双方向の情報発信が可能になりました。現在進行形でこれらの技術は進化しています。

これらSNSの発展はまだ20年程度と日が浅いため、それらが社会に及ぼした影響を検証しきれてはいない段階です。この状態は、私たちにとって免疫のない状態なのです。

例えばいま、ラジオやテレビでヒトラーがしたようなことが流れてきても、「普通じゃないな」と歴史的に知っているので、そこまで危険ではなさそうです。しかし、これがYouTubeなどで流されると、私たちにはまだ免疫がありません。過去の事例が少ないぶん、つねに警戒というか、それこそ批判的な視点を併せ持っておかなければなりません。

えらいてんちょう(矢内 東紀) 作家、経営コンサルタント

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えらいてんちょう(やうち はるき) / eraitencho(Haruki Yauchi)

1990年生まれ。慶応大学経済学部卒。現在は作家、経営コンサルタント、ユーチューバー、投資家として活動する傍ら、2019年には政治団体「しょぼい政党」を立ち上げるなど、幅広い分野で活動中。著書に『しょぼい起業で生きていく』(イースト・プレス)がベストセラーに。『しょぼ婚のすすめ 恋人と結婚してはいけません! 』(KKベストセラーズ)、内田樹との共著『しょぼい生活革命』(晶文社)などがある。YouTube「えらてんチャンネル」と「やうちはるき えらいてんちょう」の合計登録者数は約18万人(2020年4月20日現在)。Twitterアカウント@eraitencho

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