愛妻弁当を職場にお届け、インド電車の珍商売 ムンバイの「ウエスタンライン」が実施中

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複々線区間を行く快速。身を乗り出して乗るのがムンバイ流 (筆者撮影)

ムンバイはインド西部にあり、首都デリー(ニューデリー)に次ぐインド第2の都市で、アラビア海に面する港湾都市、インド経済の中心地でもある。デリーとムンバイは日本でいえば東京と大阪に相当するが、内陸のデリーと海に面するムンバイでは街の雰囲気がかなり変わる。北京と上海の違いに似ているかもしれない。

ムンバイの近郊列車は3系統

都市交通の構成もかなり異なる。デリーには自動車のタクシーはほとんどなく、トゥクトゥクという3輪タクシーが主役であるが、ムンバイでは逆に、中心街に3輪タクシーは乗り入れ禁止で、自動車のタクシーが走っている。デリーのタクシーにはメーターなどないが、ムンバイのタクシーには、3輪タクシーも含めてメーターがある。デリーにはない2階建て路線バスもある。

都市鉄道はデリーではメトロ9路線が街の全域をカバーし、国鉄は都市内交通に関わっていない。対するムンバイにもムンバイメトロがあるものの、現在のところ全線高架のメトロ1路線とモノレール1路線があるのみで、市内中心街には達していない。これら路線を観光客が利用する機会もほとんどないと思われる。現在さらにメトロ2路線を計画中で、これらが完成すると市内中心街や空港にも達する予定だ。しかし、ムンバイでは国鉄の近郊列車が3系統あり、都市内交通も兼ね、市民の気軽な足、そして通勤・通学路線として親しまれている。

近郊列車はハーバーライン、セントラルライン、ウエスタンラインの3路線がある。ハーバーラインとセントラルラインはチャトラパシィ・シバージィ・マハラジャ・ターミナス駅(CSMT駅)が起終点である。この駅はユネスコの世界遺産に登録され、壮大なゴシック建築、駅というより国会議事堂か何かに見える立派なものである。駅の向かい側には道路の中央に見学のための展望所があり、観光バスも停車する。1~7番線に近郊列車が、8~18番線に長距離列車が発着する規模の大きな駅である。

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