忘れられた「ゴーン」事態が再び動きそうな理由 ゴーンの国外逃亡ほう助した親子が捕まった

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しかし、親しい友人たちはこうしたすべてのうわさを一蹴する。レバノン政府はまだゴーンを支持しているほか、政府がレバノン市民の身柄を引き渡すことはできない。ゴーン自身も日本での裁判を消滅させるため、レバノンでの裁判を希望している。

妻のキャロルにとって、テイラー親子逮捕のニュースは衝撃だったに違いない。彼女は日本でも偽証罪で逮捕状が出ている。もし彼女がアメリカに行くことになれば、今度は彼女が逮捕され、身柄が引き渡されるリスクを負うことになるだろう。

キャロルは自身の母国であるレバノンにいるが、夫が逮捕された時の主な居住地はニューヨークだった。彼女は以前、ニューヨークの実業家と結婚しており、そこでの家族や友だちとの絆も維持している。

いまだに裁判開始日は決まっていない

2018年11月にゴーンとともに逮捕された元右腕で日産元代表取締役のグレッグ・ケリーは、今も日本で裁判が始まるのをを待っている。1年半前に逮捕されたにもかかわらず、いまだに裁判開始日は決まっていない。

64歳で健康不安を抱えているとされるケリーは、ゴーン被告に約束された退任後の報酬数千万ドル(数十億円)について開示せず、隠ぺい工作を共謀した容疑を持たれているが、無罪になる可能性が高いとみられている。現在、妻のドナと東京で暮らしているが、彼女は日本を出ることを許されない夫と暮らすために学生ビザを取得しなければならなかった。

ゴーンによる奇想天外な逃亡劇から6カ月。いよいよその逃亡の全貌が明らかになり、彼に「巻き込まれた」人たちの運命も大きく動き出すのだろうか。

レジス・アルノー 『フランス・ジャポン・エコー』編集長、仏フィガロ東京特派員

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Régis Arnaud

ジャーナリスト。フランスの日刊紙ル・フィガロ、週刊経済誌『シャランジュ』の東京特派員、日仏語ビジネス誌『フランス・ジャポン・エコー』の編集長を務めるほか、阿波踊りパリのプロデュースも手掛ける。小説『Tokyo c’est fini』(1996年)の著者。近著に『誰も知らないカルロス・ゴーンの真実』(2020年)がある。

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