台湾新幹線の車内業務はJR東海と何が違うのか NHKドラマで語られなかった台湾オリジナル

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車両やインフラは台湾オリジナル。では、台湾新幹線を運行する乗務員のオペレーションや乗客が目にするスタッフのサービスは日本式なのか、それとも台湾オリジナルなのか。この点はこれまであまり語られていないし、ドラマの中でも説明はなかった。

週刊東洋経済は2015年1月に高鉄を取材し、日本と比較しながら検証を試みた。そこでわかったことは、運行、車内販売、清掃といったさまざまなオペレーションを日本で学び、それを台湾流にアレンジして実践している“台湾オリジナル”の実像だった。週刊東洋経済臨時増刊「鉄道完全解明2015」に掲載された「日本流で走る台湾新幹線 安全思想は根付いているか」、東洋経済オンライン2016年5月11日付記事(台湾新幹線には「日本流DNA」が根付いている)を再構成した記事をお届けする。(記事内容は取材当時のものです)

日本流の安全思想をたたきこむ

台湾の空の玄関口、桃園国際空港の最寄り駅である台湾新幹線・桃園駅から徒歩3分の場所に高鉄の運行管理ビルがある。ここには乗務員の養成を行う研修設備や運行指令所がある。

JR東海の三島研修センターで研修を受けた台湾人の教官が、ここで日本流の安全思想を“生徒”にたたき込む。「安全を確認するための指差喚呼(指を差して声に出して耳で聞く)の重要性をJR東海から学んだ。台湾でも指差喚呼は乗務員、指令員、駅員の間で徹底している」と、運務部の任以永主任は話す。

運転士の養成は8カ月、1326時間かけて行われる。現在、144人が運転士の免許を取得している。運転シミュレーターを使って運転業務を解説してもらった。日本とほぼ同じ仕様だが、モニター表示は中国語と英語の両方があり、好みに応じて切り替えることができる。開業当初は英語表示を選ぶ運転士が多かったが、最近では中国語表示を選ぶ運転士が多いという。

故障時には、その内容がモニターに映し出され、ボタンを押すと処置方法も表示される。一方、JR東海では、「処置方法は運転士に配布する冊子に記載されている」(広報担当者)。運転士は毎月の訓練時にマニュアルを読み込み、冊子に書き込みもできるので、迅速性、正確性を高めることができるという。高鉄でも冊子は運転士に配布されているので、冊子とモニターの双方で処置方法を知ることが可能だ。

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