コロナ後が気になる「電車の換気」の重要性

空調完備でも通勤電車は窓が開くほうがいい

窓が上下2段に分かれた古いタイプの車両の窓。冷暖房完備でも通勤電車は窓が開く車両がほとんどだ(編集部撮影)

「窓を開けています」。電車内で、最近そのようなアナウンスを聞くことも多いのではないだろうか。新型コロナウイルス対策として、窓を開けて換気を行っているためである。

現代の電車の車内は、冬は暖かく、夏は涼しい。空気もよどんでいない。空調や換気がしっかりしているからだ。それでもなお、新型コロナウイルス感染拡大防止のために換気を強化すべく、窓を開ける対策を取っている。

では、鉄道車両の車内における空調や換気はどのようになっているのだろうか。

夏は窓を開けるのが普通だった

かつて、有料の特急列車や新幹線などの限られた列車にしか冷房がないという時代があった。これらの列車は車内空調があることを前提に、窓はもともと開かない構造だった。「開かない窓」は優等列車のステータスシンボルでもあった。

一方で、通勤電車をはじめとする空調のない列車は夏になると窓を開け、扇風機を回していた。もちろん、窓を開けなくても密閉空間にならないように、車内の換気を行うための通風機(ベンチレーター)は備わっていた。これは屋根上などに搭載した、走行時の風圧などによって車内の空気を入れ替える装置だ。

だが時代が進むにつれ、通勤電車にも冷房が入るようになった。特別料金不要の列車で冷房を設置したはしりは、1959年に登場した名古屋鉄道の5500系電車だ。首都圏では1968年の京王帝都電鉄(現・京王電鉄)5000系が最初で、その後国鉄(現・JR)などにも普及し、1980年代には冷房車両が多くを占めるようになった。

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