「手作りおもちゃ」が今子どもにオススメの理由 五感を刺激する親子で楽しむ忍者遊びを紹介

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大人は作り始めると、ついつい作ることに一生懸命になってしまいます。きちんと形が整っているか、説明のとおりに間違いなく作れているか、など見栄えのほうが気になるんですね。

でも、ボクが紹介するおもちゃはもっと自由に楽しんでもらったらいいと思います。形は不格好でかまいません。何度も作っていると、形はもとより機能もどんどんよくなっていくはずですから。

飛ばすおもちゃはもっとよく飛ぶように、滑るおもちゃはもっとよく滑るように。子どもたちの手にかかれば、別の材料や工夫で、さまざまなバリエーションが生まれてくることでしょう。それが「気づき」や「工夫」につながり、「生きる力」になっていくんですね

子どもの力を信じて寄り添う

ボクは、小学校などに、おもちゃの作り方と遊び方を教えに行くことがあります。時には、学年ごととか全校児童に、ということもあり、そんなときは、体育館でやります。大人数ですから、担任の先生がいつもされるように、1人ひとりに丁寧に教えることはできません。そこでボクの場合は、だいたい早い子どもにあわせて教えます。

先生からは、「待ってください」と怒られますが、おもちゃは、それぞれのペースで作るもの。ゆっくり作っている子どもは、急がせたくありません。「何度も教えます」といって先に進めます。

早い子は、関心のある子です。待たせたら嫌いになってしまうでしょう。だから、どんどん教えて、ボクの助手になってもらいます。彼らは、先生にとってはペースを乱す都合の悪い子かもしれませんが、ボクにとっては神さまです。関心があるから覚えるのも早いし、教え方も上手です。

それに声が大きく、騒いでいる子に注意もしてくれます(笑)。

彼らは早く作って、遊んでみてから手直しをしたり、改良をしてみたりします。深く理解できているので、教えることも上手になるのですね。そして教えながら、おもちゃを、さらに自分のものにしていくのです。

家庭で作るときは、ぜひ親子でチャレンジしてみてください。まだ低学年のお子さんならば、一緒に作ってあげるといいでしょう。上手にできなくてもかまいませんから、作ってみて、一緒に遊んであげてください。遊んでみることで親御さんもきっと「あれ?」とか「おっ!」とか何か気づきが生まれてくるはずです。この気づきこそが、既製品のおもちゃやゲーム機からは得がたいことなのです。

ところでお子さんは「忍者」が好きですか? 忍者は、高い所に飛び上がったり、水の上を走ったり、ドロンと消えたりと、スーパーヒーローのような大活躍をしますね。親御さんの中にも、子どもの頃に忍者に憧れた人は少なくないはず。

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