ドイツでコロナ再生産数「1」を再び超えた意味 流行は下火から感染急増に転換しかねない
[11日 ロイター] - 新型コロナウイルス感染拡大の第2波の懸念が11日、新たな警告の段階に入った。ドイツが経済再開に向けて暫定的な第一歩を踏み出したとたん、その数日後に再び、「実効再生産数」が節目の1を上回ったことが発表されたからだ。
再生産数とは何か、感染対策の経済封鎖を終えることの意味合いを理解する上で、これがなぜ重要なのかをまとめた。
あるウイルスが1人の感染者から平均何人にうつるかを示す数値で、ウイルス感染状況の目安だ。数値が1なら、平均で患者1人が別の接触した1人に感染させることを意味する。
1を上回れば1人から複数人に感染
1を下回れば、流行が下火に向かっていることを意味する。1人が感染させる人数が1人未満だからだ。1を上回れば感染が急増していくことを意味する。1人から複数にうつしていくからだ。
1を超えると、病院や医療態勢が崩壊に向かいやすくなっていることも示す。
世界保健機関(WHO)の分析によると、中国・武漢では、流行が急拡大した初期のころは2.5前後だった。
算出は難しい場合があり、特に米国のように、国土が広く、人口統計学的に地域ごとのばらつきが大きい国ではなおさらだ。
米バンダービルト大学医療センターのウィリアム・シャフナー教授(予防医学・感染症)は米国の再生産数について、「モンタナ州の人口過疎地域では1を下回っても、都会では1か、1をやや上回るということがあり得る」と話した。
広範なウイルス検査能力が不足している場合も、再生産数の正確な測定を難しくする。