働き方イノベーション8つのパラダイムシフト

クラウドワーカー交流会で語られたメッセージ

終身雇用制の終焉と、“企業”から“個”へのパワーシフト

私は、今の時代が明治時代の維新期と、よく似ている状況なのではないかと考えています。新しい社会のインフラが次々と誕生しているからです。たとえば、明治時代には銀行などの金融のインフラがどんどん立ち上がっていきました。今はクラウドファンディングという新しい金融のインフラが世界中に広がっています。モノづくりにおいては、明治時代は製造業が発展し、大量生産できる工場から世界中にモノを配っていきました。

長沼博之(ながぬま・ひろゆき)
一般社団法人ソーシャル・デザイン代表理事。経営コンサルタント

1982年生まれ。中央大学卒業後、船井幸雄グループに入社。企業及びNPO等を支援し、年間最優秀賞を最年少で受賞。2008年に一般社団法人ソーシャル・デザインを設立。コンサルティング実績は300社を超える。次世代のビジネスモデル、働き方、社会のあり方を提案する「Social Design News~社会をより良くする近未来インスピレーション情報~」を運営

今は知識型製造業(デスクトップ・ファブリケーション)が台頭しています。これは21世紀最大の産業になると私は感じています。まさに個人が主役になるのです。そして労働のインフラです。サントリーさん、資生堂さん、東芝さん、NECさんを含めた現在まで続く大企業には、明治時代のベンチャーブームの中から生まれた企業が少なくありません。現在ではそれらに代わって、クラウドワークスさんを中心としたクラウドソーシングのプラットフォームが日本中、世界中に立ち上がってきています。

今後、世界中に増えていくのは、自分らしい働き方を実現する無数の個人です。新しい文明開化を引っ張っていく、みなさまのような方たちを「ワークスタイル・メーカー」と私は呼んでいます。そのような人たちが、新しい働き方の無血革命を進めています。私たちの生活の根本を変える革命です。

すでに終身雇用制度は、あってないような状況になっています。社会の中での肩書きや持っている名刺の数もひとつだけではなく、2つ、3つと増えていると思います。これが「パラレルキャリア社会」への入り口です。今後は、1度に3つや4つの組織で働くことが当たり前になっていきます。ここにいらっしゃる方の中には、本業を持ちつつクラウドソーシングを行っている方も大勢いると思います。

つまり、「クラウドソーシング×本業」というかたちです。今後は「クラウドソーシング×○○」というかたちが増えていくでしょう。「クラウドソーシング×農業」や「クラウドソーシング×地域活性化」、あるいは現在世界中で増えてきている「クラウドソーシング×旅」というデジタルノマドのスタイルが日本でも浸透していくでしょう。こうして新しいワークスタイルがどんどん増えていきます。「クラウドソーシング×音楽」も増えるでしょう。実際、今、アメリカでは音楽業界の冷え込みに反比例してミュージシャンの数が増加しているのだそうです。

ますます重要になる「認知管理」「3つの視点」

私たちは仕事をするうえで、コアスキルを中心に置いて働いています。これは今までも同じですが、これからは単なる職業上の技術だけではなく、自分の得意なこと、好きなこと、使命だと感じること、人によく頼まれることなども含まれます。これらの事柄を自分の軸にしながら、同時多発的に働く近未来が、目の前までやってきているということです。

ここで今後、必要となる能力を挙げてみましょう。特に必要となる能力は「認知管理」です。たとえば、いつもスマホを触ってソーシャルメディアばかり見ていると、インプットばかり増えて、アウトプットの質が上がらないということが起こります。つまり、自分の認知をうまく管理することが、今後、働いていくうえで重要なスキルとして認識されていくでしょう。「ソーシャルセンシティビティ」も重要です。チームで働く場合、この能力の高い人が最も成果が上がるという研究結果が発表されています。「バーチャルコラボレーション能力」は、クラウドワークスを使っているみなさまのような方たちが、普段からやっていることです。これも、これから多くの人たちの主要スキルとなっていきます。

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