「再び婚活市場に戻る人たち」それぞれの事情 婚約したのになぜ結婚をやめてしまうのか

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息子に負けじと言い返してくる様子に、母親の気の強さを感じた。このやりとりを見ているうちに、「この人と2世帯で暮らすのは、絶対に無理!」と久美は思ったという。

その後、「都内に賃貸マンションを借りたい」と言い張る久美と「実家を2世帯に建て直す」と言う隆の意見は平行線のまま、その話になると険悪なムードが漂った。

そして、久美は婚約を破棄することを決めた。「もう1度お見合いをしたい」と私を訪ねてきた久美が言った。

「私も38歳だし、次に隆さんのように見た目もすてきでスペックもいい男性に出会える可能性はないかもしれない。でも、婚活は一時のこと、結婚は一生のことなので、やっぱりあのお義母さんと2世帯で暮らすよりも、私らしく暮らしていける人を探したいなと思ったんです」

都内に住んでいた女性は、地方にお嫁に行くのを嫌がる。まして、近くに舅姑がいたら抵抗があるし、一人暮らしを長く経験している女性にとって、2世帯住宅で暮らす結婚は難しい。

口を開けばお金の損得話をする

斎藤幹久(仮名、40歳)からプロポーズを受けた吉村洋子(仮名、35歳)だったが、1カ月後に、「婚約を破棄したので、もう1度お見合いします」と言ってきた。

なぜ婚約破棄となったのか?

「私自身、無駄遣いするほうではないと思っているんですが、幹久さんはあまりにもお金に細かい。金銭感覚が違いすぎました。お見合いのときこそお茶代を出してくれましたが、その後はずっと割り勘に近い女子割だったんです」

例えば2人でランチに行って、3300円なら1500円。2200円なら1000円。数百円は多めに出してくれるものの、1度も食事を丸々ご馳走になったことがなかった。交際中にそのことを洋子から相談されたのだが、私はこんなアドバイスをした。

「もう真剣交際に入ったのだから、2人でデートに使うお財布を1つ作ったらどう? 例えば2万円ずつ出して、4万円のお財布を作って、それを2人のデート資金にする。食事をしたときに別々のお財布からお金を出すから、『今回は300円だけ彼が多く払ってくれた』と気になるんですよ。お財布を1つにして、そのお財布からデート代を払うようにすれば、気にならなくなるのではない?」

その後は、私の提案に従ったようだった。そして、成婚退会していったのだが、1カ月後に洋子は婚約を破棄した。

「もうとにかくケチ! ドケチ!!  『結婚式もやらない』と言うんです。『どうして?』と聞いたら、『お金がもったいないから』って。『じゃあ、せめて写真だけ撮ろうよ』と言ったら、それには渋々オーケーしてくれたんですが、『家を借りたり、家具や家電をそろえたりするのにお金がかかるから、新婚旅行は時期を見て行こう』って言うんです。口を開けば、お金のことを言うんですよ」

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