米失業保険申請約317万件、5人に1人が職失う 7週間で約3300万件、封鎖緩和でも高水準続く
[ワシントン 7日 ロイター] - 米労働省が7日発表した2日終了週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は316万9000件となった。解雇の動きが小売りや外食産業から拡大していることを示唆した。一部の地域で経済活動が再開し始めたものの、失業保険申請が高い水準を推移する可能性がある。市場予想は300万件だった。
前週の数字は当初発表の383万9000件から384万6000件に改定された。
米経済は新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるための全国的な封鎖措置を受け揺らいでおり、エコノミストは回復プロセスが長期化するとみている。第1・四半期国内総生産(GDP)は2007ー09年の世界金融危機以来の大幅な落ち込みとなった。
6日に発表された4月の全米雇用報告は、民間部門雇用者数が2023万6000人減と、過去最大の減少幅となった。8日に発表される4月の雇用統計で雇用者数が過去最大の落ち込みを記録することを示している。
失業保険申請件数は3月28日までの週に過去最高の686万7000件を付けた後、5週連続で減っているものの、今回の申請件数を含め3月21日終了週以降の総数は約3300万件に上る。
ナロフ・エコノミクスの首席エコノミスト、ジョエル・ナロフ氏は「新規失業保険申請件数の伸びは鈍化しているものの、たった数カ月前は想像できなかったような水準にとどまっている」と指摘した。「経済はゆっくりと再開し始めたが、政府のほか、持ちこたえられなかった企業が解雇に動く中で、失業者は急速に増え続けるだろう」と警告した。
今回の失業保険統計は4月の雇用統計と調査期間が重なっていないため、関連性はない。4月の雇用統計の市場予想は、非農業部門の雇用者数が2200万人減と、07ー09年の景気後退期に記録した80万人減を大幅に超える落ち込みとなる見込みだ。3月の雇用者数は70万1000人減少し、10年9月以来、過去最長期間続いていた雇用の伸びがマイナスに転じた。
失業率の市場予想は16%と、第二次世界大戦以降の最高水準を記録した1982年11月の10.8%を超える見込み。3月の失業率は0.9%ポイント上昇の4.4%で、上昇幅は1975年1月以来の大きさだった。
ただ政府から資金を調達する小規模企業が増える中、失業者数は4月にピークを付ける可能性がある。3兆ドル近くの財政出動の一部は小規模企業向けで、企業は融資の一定額以上を従業員の給与に充てた場合、一部が返済不要となる。少なくとも30州が一部の経済活動を再開しており、復職する人が増えるとみられる。
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