アメリカ人が「冷凍ポテト」の確保に困っている訳 店頭で品切れなのに農家は作物廃棄のチグハグ

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 4月24日、米首都・ワシントンに住むレクシー・メイユスキーさん(25)はここしばらく、近所のスーパーマーケットで冷凍フライドポテトが見当たらず困っている。23日、バージニア州フォールズ・チャーチのスーパーで撮影(2020年 ロイター/Kevin Lamarque)

[24日 ロイター] - 米首都・ワシントンに住むレクシー・メイユスキーさん(25)はここしばらく、近所のスーパーマーケットで冷凍フライドポテトが見当たらず困っている。新型コロナウイルスの感染拡大による外出制限で、買いだめが起こった影響だ。

その頃、ワシントン州で農業を営むマイク・ピンクさんは3万トンものジャガイモを前に、地中に埋め戻してしまうべきかと頭を抱えていた。本来ならマクドナルドやウェンディーズなどのファストフード・チェーン用にフライドポテトに加工され、数百万ドルの収入をもたらすはずの作物だ。

食品流通が小売店と飲食店向けに分かれて特化

米国の食品サプライチェーンは、小売店向けと飲食店向けに分かれて特化が進み、融通の利かない構造になっている。新型コロナ危機で需要が急変した今、店頭では品切れ、農家では作物の廃棄というちぐはぐな光景が生まれたのはこのためだ。

ニールセンによると、4月4日までの4週間に生鮮食品店での冷凍フライドポテトの売上高は78.6%も急増し、多くのスーパーで品切れになった。

建設現場の監督をしているメイユスキーさんの自宅では、フライドポテトのストックが底を突き始めている。だが、自宅近くのスーパー2軒では「フライドポテトが1袋も見当たらない」。

ファストフード店での食事や学校のカフェテリアでの昼食に慣れた米国民にとって、冷凍フライドポテトは家にあると安心するし、実際手軽で、長く保存もできるため、外出制限中には格好の日常食だ。

飲食店向けのパッケージはかさが巨大なことが、小売店向けに転用する最大の障害となっている。しかも、業務用は小売り用商品で食品医薬品局(FDA)が義務付ける材料や栄養成分の表示がなく、レジで必要なバーコードも付いていない。

FDAはラベルの規制を一時的に緩和するとしているが、それでも飲食店向けの卸売業者が仕様を小売り用に切り替えるには、大きな壁が残る。梱包やラベリングの設備は高価で、プラスチック製のパッケージも供給が不足しているのだ。

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