「学校休んでいいよ」は苦しむ子の救いになるか 不登校の子どもたちの偽らざる本音
新型コロナウイルスの影響により、長期の休校が続いています。そして9月1日などの長期休み明けには若者の自殺が多いことがわかっています。
そのため、毎年夏には「学校を休んでもいいんだよ」、「死なないで」というメッセージが著名人からも出され、報道もされるようになりました。
こうした報道やメッセージなどに励まされる人もいる一方、「なんかイヤだな」と感じる方も多いかもしれません。
そこで、「9月1日の『不登校大丈夫だよ』報道」でうれしかったこと・イヤだったこと」と題して、不登校経験者に意見をつのってみました。
不登校の当事者の側から見た、9月1日関連報道への賛同や違和感をお伝えできればさいわいです。 (東京編集局・茂手木涼岳)
理想と現実は
報道で、「学校へ行かなくても大丈夫」とかたくさん言ってくれているのはうれしいです。
でも、実際には、学校の先生からは「来れそう?」と聞かれます。やはり、つらいです。
「つらいなら学校へ行かなくても大丈夫」というメッセージが、報道だけではなく、もっといろんなところに浸透してくれればいいなと思いました。
(たくま・17歳)
偽善者発言?
自分が不登校だったときにこのような報道があったら、捉え方はちがったかもしれないですが、今の私にとっては「学校へ行かなくてもいいよ」は偽善者の発言に聞こえます。
まわりの風潮にあわせて自分も「行かなくていい」と言ってるだけ、みたいな。
「逃げてもいい」とかんたんに言うけど、おこづかいで生きている小中学生はどこに逃げればいいのですか?図書館?保健室?そういうところが逃げ場になっても、根本的な解決にはならない気がします。
しかも地方在住の私に言わせれば、田舎は逃げ場がほぼ家で、公園とかに行こうものなら近所の人に不審がられてしまうんです。
そもそも逃げ場がないのに、「逃げていいよ」と言う神経にイラッとします。
でも、私の大好きなバンド「RADWIMPS」のボーカル、野田洋次郎さんが9月1日に関してインタビューに答えていて、それを読めたのはすごくうれしかったです。
(ゆず・19歳)
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