統計調査に踊らされる人は「疑い方」を知らない 誰が誰に調査したか、理にかなうのかを考えよ
まず、調査をしたのが誰なのか、あるいは、調査にかかる費用を払ったのが誰なのかに注目したほうがいいです。調査した会社が自社の顧客データしか利用していないということだってありえます。たとえばエステを運営する会社が自社の顧客に対して美容に関するアンケートを取っていたら、それは世間一般に対して同じアンケートをしたときとは大きくかい離した結果になります。
また、「猫をどう思いますか?」という質問よりも「愛らしくて、もふもふで、かわいい猫は好きですか?」という質問をされたほうが、自然とポジティブな反応を返してしまいそうなように、回答が質問によって誘導されている可能性にも留意するのが望ましいです。「銀行の救済に税金を使うのをどう思いますか?」だと否定的な回答が多いでしょうが、「金融制度を一層安定させるために予算が組まれるのをどう思いますか?」であれば、肯定的意見が増えます。実際は同じことについて問いかけているのに、問いかけ方によって反応が真逆になることがあるのを知っておきましょう。
サンプル数が少ない調査にも注意
何人に聞いた結果の数字なのかも大切です。よくあるのが、サンプル数が少なすぎるもの。「利用者の90%が発毛を実感している」なども、40人に聞いたものであれば、一般に向けて主張するには少なすぎて適さない数です。
特にその数字が世間一般に適用されるもののように見せられているような場合、適した集団に聞いた結果であるかも確認したほうがいいでしょう。「道端で無作為に声をかけてアンケートを取った」場合でも、立ち止まって答えた人々は「時間に余裕のある人」を通常よりも多く含んでしまいます。こうしたサンプルの偏りを防ぐために、適切な数、無作為に電話をかける方法が有効でしたが、近年ではこのやり方ではサンプルが高齢者層に偏ってしまうのが顕著になってきています。一見公平なやり方のように見えますので注意しましょう。
最後に、その調査の結果として主張されているものが理にかなっているかが大切です。
目の前に提示された、魅力的だったり衝撃的だったりする数字が真実なのかをここまでのポイントに沿って確認します。自分の思う世界と全く違う数字が出てきた場合、まず間違いなくその数字は現実と違ったものです。数字に騙されて誤った方向に誘導されないよう、気を付けましょう。
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