日豪首相がEPAで大筋合意 安全保障も強化、首脳の親密さもアピール
[東京 7日 ロイター] -安倍晋三首相と来日中のアボット豪首相は7日夕に会談し、交渉を進めていた日豪経済連携協定(EPA)に大筋合意するとともに、安全保障分野の関係を一段と強化することを決めた。アジア太平洋地域で中国の存在感が増す中、日本は米国以外の友好国とも協力を深める。
「新たな特別な関係に」
日豪の貿易促進を目指したEPA交渉は、2007年に第一次安倍政権とハワード政権の間で開始。日本が輸入する豪産牛肉と、オーストラリアが輸入する日本車の関税引き下げが焦点となっていた。
会見した安倍首相は「二国間を新たな特別な関係に引き上げ、いっそう強固なパートナーシップを作り上げていくことを確認した」と説明。「可能な限り早期の(EPA)署名に向け、作業を迅速に進める」と語った。
一方、アボット首相は「両国にとって歴史的な局面にいる」としたうえで、「今後十数年にわたり、エネルギーの安全保障、資源の安全保障、食料の安全保障で協力していきたい」と述べた。
両首相は安全保障と防衛の分野でも協力関係を一段引き上げることで一致。防衛装備・技術協力の枠組み合意に向けた交渉を開始する。
日本が武器輸出の新たなルールを策定し、一定条件のもとで装備の移転や共同開発が可能になったことを受け、まずは船舶の流体力学に関する共同研究に着手する。さらに自衛隊とオーストラリア軍の共同訓練を拡充するほか、新たな防衛分野であるサイバーでも協議を進める。
「トニー」「晋三」の仲をアピール
会談に先立ち、アボット首相はこの日開かれた国家安全保障会議(NSC)にも外国の首脳として初めて出席した。会合で両首相は互いを「トニー」、「晋三」と名前で呼び合い、親密さをアピールした。 中国との関係を重視していたギラード前首相に比べ、昨年9月に就任したアボット首相は親日とされている。アジア太平洋地域で中国の存在感が高まり、相対的に米国の力が低下する中、日本はオーストラリアや東南アジア諸国、インドなどとの経済・安保関係の強化に動いている。
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