「セブンカフェ」は増税後も100円継続 販売拡大などで加盟店の利益確保

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4月4日、セブン―イレブン・ジャパンで大ヒット商品となったセルフサービス方式のレギュラーコーヒー「セブンカフェ」は、消費増税後も税込販売価格100円を継続する。写真は都内で2012年4月撮影(2014年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 4日 ロイター] -セブン―イレブン・ジャパンで大ヒット商品となったセルフサービス方式のレギュラーコーヒー「セブンカフェ」は、消費増税後も税込販売価格100円を継続する。販売増に加え、原材料調達を2社から行うことなどでコスト低減を図り、加盟店の利益は以前と同水準を確保する。

「セブンカフェ」は、2013年1月に発売を開始。13年度は4億5000万杯、約500億円を売り上げた。14年度については、600―700億円を目指している。

鎌田靖・常務執行役員は、価格について「集客効果の高いセブンカフェは、あえて100円を変えない」と宣言。昨年度に大ヒット商品となり、客層拡大やサンドイッチなどとの併売に大きく貢献しただけに、値ごろ感を大切にした格好だ。「値ごろ感は販売力がなければ絶対にできない」とし、コンビニの店舗網が強力な武器になっているとの認識を示した。

今期については、2台以上の機械を導入する店舗を8月までに9000店舗に拡大。昨年7月時点の1000店舗に比べて9倍に拡大させる。また、180杯分の在庫がストック可能な冷凍庫を2500店舗に導入する。

さらに製氷メーカーの2社体制を整えることで、昨年夏に氷不足などで招いた「機会ロス」を解消するなどし、販売を拡大する。原材料調達も1社から2社に移行し「競争原理を働かせ、原材料はより良いものをより安く手に入れる」という。こうした施策によって、価格を据え置いても加盟店の利益は確保できると説明した。

同社は、おにぎりやお弁当を含むデイリー商品1600品目のうち、約40%にあたる640品目は、価値を高めたリニューアルを実施。新商品やリニューアル商品は、従来商品よりも付加価値を上げ、増税分を上回って価格を引き上げる方針。

鎌田常務は「デフレ脱却は小売りとしても意識していかなければならない。価値訴求をする中で、価値と価格のバランスがあっている商品は売れる」と述べた。

一方、「セブンカフェ」や牛乳、食パン、豆腐、納豆、カット野菜など10%にあたる160品目について、価格据え置きもしくは値下げを実施する。「日常の食生活を支えるベーシックな商品の中でも価格に敏感な商品は価格を据え置いたり、安くする」という。

現行商品で増税分を価格転嫁する商品は40%。ただ、これらについても「4―5月に消費増税の影響が出て、6月ごろに元の消費に戻るとみている。6・7・8月でリニューアルし、消費が戻ったところで差別化を図る」とした。

デイリー商品は、同社の売上の50%弱を占めている。

(清水律子)

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