まずは納豆の売り上げ増だ。
納豆は、新型コロナウイルスの恐怖が日本に広がっていた2月中旬から明らかに伸び始めている。日本人の気が緩んだといわれる3月中旬あたりはやや売り上げ点数を落としているようにも見えるものの、それでも前年同期比でいえば売り上げ点数は多い。
なお2020年になってからは、2月最終週が最も売れており、前年同期比の1.2倍にいたる。不思議なのは納豆が売れる理由だ。私は納豆をそれほど食べないので、食す機会が増えた感覚はない。妻に聞いてみたところ、「免疫力が高まる」などと巷で話題になっていたそうだ。
医学的根拠はないが免疫力向上を願う購買か
ほかにも免疫力アップにつながる食品と一般的に言われているのがヨーグルトだ。ここではグラフまで示さないが、POSデータを確認するかぎり、たしかに納豆同様に前年同期比で売り上げが伸びていた傾向が見て取れた。
野暮なようだが、新型コロナウイルスに納豆やヨーグルトが効果ありと医学的に証明されたわけではないことは明記しておきたい。もっといえば、個人的には効果ないと思っている。
次に米飯加工品だ。
レンジで温めればすぐに食べられるご飯のパックなど、米飯加工品はそもそも災害・緊急時に売れることがわかっている。保存できるし、無駄になることがない。
新型コロナウイルスはまさに緊急・非常時なわけで、POSデータの売れ行きもそれを示している。グラフで見ると、2019年は9月から10月に山ができているが、これは大型台風が日本を襲ったことが影響したとみられる。
2020年になってからは、緊急事態宣言が示唆された、3月23日(月)の週がもっとも売れており、前年同期比の1.3倍にも増えた。納豆の傾向と同じく、日本人の気が緩んだといわれる3月中旬あたりはやや売り上げ点数を落としたが、再び伸びた。
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