通信株がネット利用急増なのにパッとしない謎 高まる需要でも支出強いられすぐ収益化しない

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GFMアセットマネジメント(香港)のマネジングディレクター、タリク・デニソン氏は「(通信会社は)第5世代(5G)向け設備投資があるだけでなく、債務支払いもある。そのため、キャッシュフローが落ち込めば、(株主ではなく)債券保有者を優先しなければならない」と語る。

通信株はディフェンシブの特性を失っているわけではない。MSCI世界通信サービス株の13%安は市場全体<.MIWO00000PUS>の下落率(16%)に比べればましだ。

今回の下げで割安感が出ており、デニソン氏は安定した利益があり、債務も少ない中国移動<0941.HK>株を買い入れたという。

一方で、ネットフリックスやアマゾン・ドット・コムといった通信インフラを利用する企業がアウトパフォームしており、ネットワークオペレーターを置き去りにしている。

ブリスベン在住の独立系通信アナリスト、ポール・ブッデ氏は「こうしたトレンドは新型コロナ危機後に強まると思う」と述べた。

デフォルトリスクも

新型コロナで配当の先送りや引き下げ、見通し下方修正を行った通信大手はドイツテレコム、ブイグ、テリアなど一部にとどまる。

ただ、投資家は先行きを懸念。ムーディーズ・インベスターズ・サービスは先週、カリブ・中米・太平洋地域のネットワークオペレーターであるデジセル・グループの債券デフォルト(債務不履行)リスクが高まっていると発表した。

デニス・オブライエン会長はロイターに対し、債務再編は6月までに完了し、収入は総じて安定していると説明。嵐が過ぎ去り、将来的にデータへの需要が大きくなると期待する。

オーストラリアでは、テルストラがコスト削減を棚上げ、無料データの配布や延滞料の請求停止に踏み切った。ただ、最終利益見通しは達成できるとみている。

アルフィニティ・インベストメント・マネジメント(シドニー)のプリンシパル・ポートフォリオマネジャー、ブルース・スミス氏は「通信企業の中核事業(モバイルとブロードバンド)に対する需要は非常に強い。(テルストラのような)現在の取り組みで評判が高まり、市場シェアが増すだろう」と述べた。

(Tom Westbrook記者、Douglas Busvine記者)

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