「暴力の連鎖」を断ち切った20代女性の半生 福祉制度を「フル活用」して生き延びてきた

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平日は週4日就労移行支援施設に通い、土日はボランティアでモデルをしている(編集部撮影)
この連載では、女性、とくに単身女性と母子家庭の貧困問題を考えるため、「総論」ではなく「個人の物語」に焦点を当てて紹介している。個々の生活をつぶさに見ることによって、真実がわかると考えているからだ。
今回紹介するのは、「今まで母からの虐待や男癖の悪さで振り回され、飛び降りてしまったこともあります」と編集部にメールをくれた20代の女性だ。

生活保護と障害年金を受給

3月下旬。埼玉県某市にある堀井亜里さん(仮名、20代)が1人暮らしする自宅に向かった。県内の主要駅から徒歩圏内に、きれいな小さなマンションがあった。上層階に彼女の部屋があり、チャイムを押すと堀井さんが顔を出した。

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騒音問題があり、家賃は月5万円と安価だ。彼女は生活保護と障害年金の受給者で、いまは働いていない。市から支給される生活扶助、家賃扶助で生活する。週4日、市内の就労移行支援施設に通っている。

土日は素人カメラマン相手にボランティアでモデルをしている。所有するiPhone Xには、素人カメラマンにきれいに撮ってもらったポートレイトが何枚も保存してある。

「生活保護は快適ですよ。本当に助かっています。でも、やっぱり洋服もっと欲しいし、化粧品も欲しい。お金が足りない。なので、夏までには働きたいとは思っています」

クローゼットにはお気に入りの洋服が並ぶ(編集部撮影)

部屋の収納を開けると、びっしりと洋服があった。若い女子に人気のマジェスティックレゴン、ダズリンなどのブランドが好きで、先日春物コートを購入している。「今日、写真撮影があるなら、これ着る」と笑顔でいう。

残念ながら日本は生活保護の捕捉率は低く、生活保護基準を下回る所得世帯のうち2割程度しか制度を使っていない。コロナ騒動で困窮状態に陥る人々は、これから間違いなく激増する。生活保護は最低限度の生活が送れなくなったとき、ぜひ利用してほしい制度なのだ。

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