夜行列車気分を味わえる「島巡り」フェリーの旅

小さな港街から港街へ、海の上の「生活路線」

那覇と鹿児島を結ぶフェリー。島々に寄りながら進む様子はかつての長距離列車のようだ(筆者撮影)
この連載では、Jリーグ応援の遠征を軸に、見知らぬ土地への旅の楽しさ、費用や行程作成の工夫を紹介してきた。
ところが今、取り巻く状況は大変なことになっている。待ち焦がれていたJリーグは、開幕戦は実施したものの中断したままだ。私自身、先々の遠征予定を立て、航空券の予約など進めていたが、すべてキャンセルという憂き目にあってしまった。
自宅待機が続くが、ふと気がつくと時刻表をめくり、予約サイトで行けもしない宿泊プランを検索し、ため息をついている。
けれども地元の人々の生活を壊さないために、今は旅に出てはいけない。
今回は、少しでも旅の気分を味わえるよう、昨シーズンの遠征を振り返ってみる。気兼ねなく旅に出ることのできる日々が早く戻ってくることを願って。

「もっとも旅情を感じる」交通機関

私は、J2リーグのジェフユナイテッド市原・千葉を応援している。昨シーズンの目玉は、鹿児島ユナイテッドFCとFC琉球がJ3から昇格したことだ。

日程発表を心待ちにした。発表の日、アウェイFC琉球戦の開催日を真っ先に探した。すると「7月31日(水)19時キックオフ」の文字があった。平日夜、沖縄でナイターなのであった。落胆した。

しかし次節は「8月4日(日)鹿児島ユナイテッドFC 白波スタジアム」ではないか。これは沖縄→鹿児島に行けということか。幸い時期は夏。夏休みを取れるかもしれない。

私は用意周到に根回しを行い、この連戦に参加できる休みを得た。沖縄と鹿児島の移動手段は飛行機が一般的である。約1時間半、早期割引を使えば1万5000円程度。

しかし、気になるのはフェリーだ。以前の記事で「フェリーは今やもっとも旅情を感じる公共交通機関かもしれない」と書いた。

那覇と鹿児島を結ぶフェリーは「マリックスライン」と「マルエーフェリー」が共同運行している。那覇を出ると沖縄本島北部の本部(もとぶ)、与論島、沖永良部島、徳之島、奄美大島と寄港し、鹿児島までの735kmを25時間半かけて進む。

【那覇―鹿児島 フェリー運航時刻】
那覇 7:00―本部 9:00/9:20―与論 11:50/12:10―和泊(沖永良部島) 14:10/14:40―亀徳(徳之島)16:30/17:00―名瀬(奄美大島) 20:30/21:20―鹿児島 8:30
*「フェリー波之上」上り便で予約者がある場合は、名瀬―鹿児島間で屋久島にも寄港(4月24日現在、新型コロナウイルス感染拡大による旅行自粛で寄港は休止中)

地元民でもない限りなかなか乗ることができないだけに絶好の機会であり、迷わずフェリーを選んだ。

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