かつての鉄道「不要不急線」、戦後たどった運命

「コロナ禍」の75年ほど前にあった鉄道の休止

まもなく廃止される札沼線(北海道医療大学以北)も戦時中の「不要不急線」だった(写真:Jun Kaida/PIXTA)

このところ「不要不急」という言葉を聞く機会が増えた。理由は言わずと知れた新型コロナウイルス。国や各地の自治体が感染の拡大を抑えるため、不要不急の外出を自粛するよう呼びかけている。4月8日には緊急事態宣言が発令され、対象地域に指定された7都府県の知事は住民に対し、外出の自粛を要請できるようになった。

日本経済新聞を除く全国4紙で「不要不急」の言葉を使っている記事の数を調べてみたところ、2019年12月は約10本だったのに対し、2020年1月は約60本、2月は約250本と急速に増加。3月は約600本に膨れあがっている。

使われる機会の少ない言葉だが、鉄道の歴史を少しでもかじっている人なら「不要不急線」を連想するのではないだろうか。戦時中の1940年代前半、政府の命令によって休止、もしくは廃止された鉄道路線のことだ。

戦時中に約300kmの国鉄線が休止

国鉄線の場合、計約300kmに及ぶ約21線区が不要不急線とされ、1943年から1944年にかけて休止となった。戦時体制への突入で物資が不足するようになったことから、軍事上の重要度が低い路線を休止し、レールなどの金属を軍事上重要な路線に転用したり、あるいは武器の生産に使ったりした。

このほか、当時複線だった御殿場線(神奈川県・静岡県)や参宮線(三重県)、関西本線の一部(奈良県)は単線化してレールを供出している。津軽線の青森―蟹田間など当時未開業だった路線も一部は工事が凍結され、せっかく敷設したレールを撤去したというケースもあった。

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