日本のコロナ「学力格差」を止めるための方策 オンライン授業「後進国」日本は何をすべきか

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アメリカのニューヨーク市では3月中旬からグーグル・クラスルームやユーチューブなどでオンライン授業を行っている。グーグル・クラスルームでは、学習教材や課題を提供したりメッセージのやり取りをしたりできる。子どもは課題ができたらオンラインで先生に提出する。先生に質問を送ったり返事をもらったりすることもできる。

シンガポールでは4月当初からオンライン授業を始めている。Zoomを使ってのやり取り、動画視聴、課題をこなしてからグーグル・クラスルームで提出するなどが主なところだ。

韓国では4月9日に高校3年生と中学3年生のオンライン授業が始まった。4月下旬からは小学校に広げるとのこと。

オンライン授業の課題と効果

どの国も、使っているアプリ、システム、内容などについて大きな違いはないようだ。ただ、Zoomに関しては現在、安全性についての懸念が指摘されている。そして、各国が直面しているオンライン授業の課題もほぼ同じで、次のようなものが多い。

・パソコン、タブレット端末、Wi-Fi環境がない家庭がある。それについては国、自治体、学校などが貸与することで対応している
・どの国も開始当初からしばらくは混乱が続く。最初は家庭内で大人によるサポートが不可欠であるが、それに対応できない家庭もある。また、低学年の子どもは慣れるのに時間がかかる

このような問題はありつつも、しばらくすると教師も子どもたちも慣れてきてかなり使いこなせるようになることが多いようだ。家庭にいながらも、オンライン授業によって一定の緊張感が得られて生活にメリハリがつくという効果もある。

だから、日本もとりあえずやれるところからやり始めたらいいと思う。完璧なシステムができるのを待っていたらいつまでも始められない。Zoomを使って朝の会やホームルームを行うだけでも効果はあると思う。

参加するためには、一応身だしなみを整えなければならない。顔を洗ったり髪の毛をとかしたりする必要もある。もちろんパジャマではいけないので着替える必要もある。家にずっといてこういった基本的なこともおろそかになっている家庭も多いはずだから、これだけでも効果がある。

昼食時にはZoomを使った昼食会を行うのも楽しいかもしれない。大人でもZoomを使ったエア飲み会を行って楽しかったという話がたくさんある。誕生日の子には、お茶やジュースで乾杯しておめでとうを言うこともできる。また、学校でやっていた帰りの会を、夕方の会などの名前にかえて行うのもいい。今日一日の感想を発表し合ったり、あるいはもっとフランクにただのダベリング会にしてもいい。

私も最近Zoomを使った教育サークルのオンライン勉強会に参加したりしているが、お互い画面上の顔を見ながらおしゃべりするのはけっこう楽しい。

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