ゆとり世代の働き方こそ「世界標準」と言える訳 「残業しない若者」を批判するのは時代遅れだ
ヨーロッパ諸国などほかの先進国では「しっかり体を休める」ことが大事だという共通認識がありますし、日本のように「休みは権利ではなく『いただくもの』」だとか「堂々と休むのはよくない」というような概念は皆無で誰もが堂々と休んでいます。
休みを長くとるのも、ヨーロッパ人曰(いわ)く、「1週目は仕事の疲れを取るだけの期間。疲れが取れていろいろと活動したくなるのが2週目、そして3週目に体は本調子を取り戻し完全にエンジョイできる」という具合で、1週間では真の休暇とは言えないというのが一般的なコンセンサスです。同時に、ドイツを含むヨーロッパでは有休をとることは当然の「権利」と考えられています。
「ゆとり世代」がむしろ世界標準
「ゆとり世代やさとり世代はやたら権利を大事にして残業しない」だとか「最近の子は新人なのに有休を取る」なんてことを言っている人は、世界の先進国の大半の人々が、若かろうが中年だろうがもうじき定年を迎える年だろうが、日本で言う「ゆとり世代やさとり世代の感覚と最も近い」ということを自覚しておいたほうがいいかもしれません。
もし社長や経営陣が「さとり世代は……」「最近の若い社員っていうのは……」などと語り始めたら、この会社はもしかしたらブラックかもしれないと警戒するぐらいがちょうどいいと言えます。
この「◯◯世代はダメだ」という発言の後に続くのはだいたい、「仕事で言われたことしかやらない」「タイムカードをキッカリ定時で打刻して帰っている」「部署での飲み会を嫌がる」「社員旅行を嫌がる」などでパターン化しています。しかしどれをとっても、世界の先進国を見れば平社員なんて「そんなもの」です。
もちろん、あまりにも「言われたことしかやらない」のも問題です。ある程度は自発的に動いてほしいところですが、かといって業務に関係のないことまでやる必要はないですし、その類のことを「自分の若い頃は言われなくてもやっていた」などと愚痴ってしまうこと自体がもうバリバリなブラック思想です。
改めたほうがいいのは経営陣側の考えのほうであり、「ゆとり」「さとり」などの若い世代の価値観ではありません。
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