自宅でも「パンダ鑑賞」楽しむための動物園の策 休園中もVR対応動画など日常の暮らしを配信
アドベンチャーワールドには、オスの永明(えいめい、27歳)とメスの良浜(らうひん、19歳)、娘の桜浜(おうひん、5歳)、桃浜(とうひん、5歳)、結浜(ゆいひん、3歳)、彩浜(さいひん、1歳)の6頭がいる。
その集客力は高く、全国からファンが集まる。“パンダジャーナリスト”の筆者も東京在住ながら、年間パスポートを購入している。
白浜町(人口約2万1000人)によると、2019年に町を訪れた観光客は約350万人に上る。一大観光スポットのアドベンチャーワールドは町の活性化にも貢献しているのだ。
コロナショックは観光産業に大打撃となった。ホテル・旅館の予約は減少し、南紀白浜空港と羽田空港との定期便も減便。「白浜の街は火が消えたようだった」(白浜町民)という。
アドベンチャーワールドは3月23日から営業を再開したが、利用できる施設は制限されている。桜浜、桃浜、彩浜の3姉妹がいるパンダ舎は、屋外の運動場だけ見られるようになっている。
国内でパンダがいるのは3カ所だけ
日本でパンダを飼育しているのは、アドベンチャーワールド、上野動物園、神戸市立王子動物園の3園。
リーリー(力力、オス、14歳)、シンシン(真真、メス、14歳)、シャンシャン(香香、メス、2歳)の3頭がいる上野動物園は、2月29日から臨時休園している。これほど長く休むのは、2011年の東日本大震災以来だ。
上野動物園の入場者数は、2017年6月のシャンシャン誕生をきっかけに大幅に増えていた。2018年度は496万9547人で、2019年度は500万人達成が期待されていた。
シャンシャンは繁殖のため中国へ旅立つので、日本にいるのは今年末まで。残すところ10カ月弱。時間が限られているのに休園で、「パンダロス」がいつまで続くかわからない状況だ。
ファンの声に応えるべく、上野動物園もユーチューブやツイッターで写真や動画を連日配信している。音声入りなので、シャンシャンが竹をバキバキと割る音まで聞こえる。
3月19日に配信された動画は、シャンシャンの声が入った特別バージョン。動物園に行ってもガラスの向こう側にいるので、普段は声を聞くことができない。ファンにとっては貴重なプレゼントとなった。